都市における規制のメリット・デメリットを分析
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小泉政権時に規制緩和を促進し経済を市場に委ねようという機運が高まり、今はそれに対するゆり戻しがあるような気がします。
しかし、重要なのはある規制が社会にとって望ましいのか否かであって、感情的に規制緩和を悪と考えるのは間違いでしょう。
本書は、住宅市場や国土開発、都市の集積など都市政策の効果を分析しています。
一般的な理論分析から、借地借家法、容積率規制等の具体的な規制効果分析まで都市経済を幅広く扱います。
例えば、借地借家法は賃借人の権利保護を促進するあまり家の貸し手を減少させ、その結果賃料が8〜10%上がるなど当初の目的を十分には果たせなかったようです。
理念が良くても必ずしも良い結果をもたらさないというパラドックスを理論的に説明しており、経済学の有効さを実感できます。