本書の最大の特徴は、写真集を広げて撮影し、そのまま掲載している点でしょう。

本を広げれば影も出来ますし、ページの浮き上がりも生じます。
本書はその影をも載せていて、浮き上がったページを押さえたり、歪みを修正したりもしていません。
それがリアリティを感じさせます。

各写真集は、外観（本体および箱）と何ページかの見開きが掲載され、書誌と１ページほどの解説が加えられています。

外観は勿論、中身もページをカットすることなくひろげたままの形で納められているので、写真集を見ている感覚が常にします。版の大小や点数の多少はありますが、見開きが１０枚前後収録されているので、写真集の雰囲気もよく分かりますし、それらの写真が如何にすごいものかもよく分かります。
更に解説の質が非常に高いので、これを読むだけでも購入の価値があります。

収録されている写真集は、写真史に少しでも興味を持っている人が見れば垂涎の作品ばかりです。
ここに収録されている写真集の本物はまず手に入らないでしょうから、せめてこの本によって手にした感覚を味わうのがよいでしょう。