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難しい性格の人との上手なつきあい方

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 紀伊國屋書店
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   難しい性格の人が多そうな国、フランスの精神科医である著者は、上司や同僚、得意先にいる難しい性格の人との付き合いに悩む人たちから「人間関係」に関する相談をよく受けるという。人の性格は「自分は周囲の出来事をどのように見る/どのように反応する傾向にあるか」によって表されるが、「性格の1つが極端に出すぎたり、状況によって変えることができないほど固着してしまった」のが難しい性格と考えられる。

   本書では、さまざまなタイプの難しい性格── 最悪の事態を考えてしまう「心配性」、人を疑わずにはいられない「妄想性」、いつでも注目されていたい「演技性」、完璧でなくては気がすまない「強迫性」、自分は特別扱いされて当然と思う「自己愛性」、ひとりでいるのが一番落ち着く「分裂病性」、間接的に反抗する「受動攻撃性」など── の特徴を明らかにし、彼らとの付き合い方を「したほうがいいこと」「してはいけないこと」の表にしてアドバイス。性格ごとに「自己診断表」がつけられ、読者自身の難しい性格度もチェックできる。

   保険会社に勤める「心配性」の34歳の男性ジェラール、大企業に勤める28歳の男性ブリュノの同僚で「演技性」のカロリーヌ、流体力学を専門にする優秀な技術者で分裂病質のリュック、抑うつ性の31歳の公証人ティボー…。どれも生き生きとして人間味あふれる具体例は、さりげない日常をオシャレに描くフランス映画を見ているようだ。実際「映画や文学で登場する○○の性格の人々」の欄は、それぞれの性格に対するイメージをより鮮明にしてくれる。

   350ページという分厚い本だが、「人間を観察する眼が確かで、優しさに満ちている」と訳者もいうように、著者たちの人間に対する温かいまなざしがどのページからも感じられ、気持ちよく読み進められる。同じ共著として『自己評価の心理学─なぜあの人は自分に自信があるのか』もある。(松本肇子)