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紺極まる (だいわ文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 大和書房
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真木くん良い ★★★★★
長野まゆみさんの過去の作品「紺碧」「紺一点」の真木、浦里の二人が帰ってきました。今回は読者に大人気の硬派な真木くんが主人公で、偶然が重なって東京で浪人し、予備校の先生となぜか同居をし始めます。離れた浦里を焦れったいほど純粋に思いつつ、一方で身近なおとなの男に惹かれる真木くんの心理が何とも言えず…この本に収録されている作品では「紺極まる」では終盤、かなり色っぽい真木くんが、「五月の鯉」では中盤かなり男の匂いをさせた真木くんが楽しめます。その点でやはり「紺碧」で中学生だった二人とは違うかなと思わせられます。しばらくの間、ピクルス入りベーグルサンドを普通に食べられそうにありません。ともあれ、初見の方でも、ピュアな少年たちの恋を受け入れて下さる方ならどなたでも楽しくお読みになれます。長野さんは美少年を描くカリスマと言えましょう。
続編是非希望します。 ★★★★★
この作品には時期の違う三作品が収録されています。
同先生の『鳩の栖』に収録されている『紺碧』『紺一点』の浦里、真木が出ています。
表題の一作目は、2人が高校を卒業してからの話。
東京で一人暮らしする真木の部屋に、川野という予備校講師が住み込む羽目になる。
初めは隔たりがあったものの、段々と川野は真木に惹かれていく…。
少年同士では平気なんですが、大人が関わってくると引き気味になってしまうせいか
自分では少し抵抗があってしまったのが残念でした。

もう一つの話は高校三年生時の真木と浦里の話。
真木の浦里に対する想いと、それが伝わらない切なさが描かれている。
『鳩の栖』では浦里視点だったのですが、真木の想いを知ってから読み返すと
浦里の処に真木が駆けつけて来てくれたり、セリフや細かい処で真木の想いが解って新鮮な感じがします。
どの作品中でも浦里が真木の気持ちに巧く気づかないところもまたいいです。

最後の作品は見開き二ページのみ。
しかしこの中に、これからの二人を予感させる要素が詰まってると思います。
贅沢を言うと、知らせが届いたときの真木の気持ちをもっと知りたかったです。
私的に真木と浦里には幸せになって欲しい。

十代の淡い憧憬 ★★★★★
短編集「鳩の栖」で扱われた「紺碧」と「紺一点」の主人公たち
真木、浦里が登場します。
前二作と比べると真木が中心になっています。
ただ、真木が新たに東京でであった男の視点を通して、
真木の内面が描かれているところが新鮮。

頭では望んではいけないと分かっているものを、
それでも心は欲している。そんな切ない真木の告白に惹かれます。

浦里は相変わらず鈍感なのですが、
真木にも浦里にも少しづつ変化が訪れる・・・、
そんな風に感じられる。

前二作を読んでいなくても楽しめる本です。
前作を読んだ方にももちろんお薦めです。
少し大人になった二人をぜひ見てください。

真木があんな風になるなんて! ★★★★☆
『鳩の栖』所収の「紺一点」の続編ということで、楽しみにしていました。
中学生だった浦里と真木の2人の少年の、その後の様子を描いています。
「紺一点」では、浦里が中心の物語でしたが、今回は真木が中心。
浦里を通して見た真木と、真木自身とではこんなにも違うのかと、正直驚かされました。

同じ「紺」でも、前回は透明で爽やかな感じがしましたが、今回はなんともダークで淫靡な趣。
全部で三章から構成されていますが、最後の章はわずか見開き2ページ分しかなく、やや物足らない印象を受けました(それで☆一つ減らしました)。
でも、かえってそのことが、今後この2人の物語は続くのだということを暗示しているかのようにも思えます。

果たして真木の思いは浦里に届くのか、それが知りたいところです。