インタヴュー&写真
★★★★☆
森山大道という人は、写真も直感的でわかりやすいが、
インタヴューにも丁寧に受け答えをしていて好感が持てる。
偉そうな「上から目線」を感じさせず、
だいぶ年の離れた若手のインタヴューにも判りやすいことばで応じている。
本書は森山への長期間にわたるインタヴュー集と写真とで構成されている一冊。
森山といえば新宿、新宿といえば森山なのだが、
本人的には、新宿の深部まで入り込むことはなく、そこには興味もない。
撮るのはあくまでも表層、表皮なのだそうだ。
シャッターを切る時の写真家の精神に触れられることは興味深い。
読むことにより、作品を観る際のイマジネーションが広がるだろう。
アラーキーや中平卓馬など、ゆかりの人物とのエピソードもふんだんに盛り込まれ、
来歴を知ることもできる資料的価値もある。