本当に良い本に出会ってありがたいとしみじみ感じる
★★★★★
ノンフェクション作家が書く、子供向けの紙芝居やさんのお話
子供向けの130ページぐらいの分量なので、話の筋を書いてしまうと
あまりにも面白くないのですが、題名の通り、声をなくしてしまった
紙芝居やさんのお話です。紙芝居を通じて、子供達の興味で輝く瞳
子供達の喜びが、この紙芝居やさんの生きる糧となっていたのが
よくわかる内容です。そしてそんな生き甲斐に大きな試練、声をなくす
という紙芝居やさんにとっての致命的な出来事が起きます。
それでも、色々な人の善意を背景に、声をなくしても紙芝居を
やってゆくというお話です。
作者が後書きで述べていますが、とても地味なお話で、且つ、
今時子供に対して「紙芝居」自体がなにかわからないなか、良く
出版にこぎ着けたと思います。また、こんな地味な内容にも
関わらず、やはり、真実の裏付けと作者の熱意が、こんなにも
すばらしい作品になったのではと思います。
このような地味なのにすばらしい本に出会えたのは
とてもうれしいことですし、子供にも同じ感動を味わって欲しいと
思える本です。作者の熱が先走って、読みづらい所もありますが
ストーリーがそれを補ってあまりある内容になっています。
目立たない本ですが、読んで欲しいと思える本です。