ヘタな小説より面白い
★★★★★
日本の80〜90年代の「バブル」がテーマなんだけど、
それをEIEインターナショナルという会社をつくった、高橋治則という人物を中心に話が進んでくので、
わかりやすい上に面白い。
海外旅行中に、「あのビル欲しいなあ」と言って、ホントにそのビルを買った、
まさに成金という感じのエピソードが盛りだくさん。
”Japan as number1”とうたわれた頃の、イケイケ感を追体験できる内容となっております。
ちなみに高橋氏は、裁判が終了しないうちに、
2005年7月18日クモ膜下出血で、59歳で急死しました。
そして歴史は繰り返された
★★★★☆
この本が出たのはいわゆるネットバブルが破綻した頃です。
その時アメリカや日本で発生したのは単なるネット株バブルでした。
しかし、今回アメリカやヨーロッパで弾けたのは住宅バブルも含めた株バブルです。
実態経済に与える深刻度は相当に高いです。
それにしてもバブルというのは見事なくらいに70〜80年周期で発生しては破裂を繰り返すものなのですね。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
★★★☆☆
バブル期の経済や文化に興味があります。文化的には、魅力的な車や新しいスポーツ、電子機器などが登場
してきた非常にエネルギッシュな時代だったと思います。当時私はまだ中学生だったので、バブルとか景気が
いいとか全く実感できませんでした。ただ、当時の担任の先生の車が日産の『CIMA』だったことはなぜかよ
く憶えています。その先生は独身でしたが当時の高級車を持っていた時代でした。
こちらの本でEIEインターナショナルの高橋治則元会長がどのようにして、投資資金を作り出したのかが良く
分かります。まさに錬金術です。事業投資先を買うことと資金調達をすることにかけては天才的でしたが、
それは「お買い物」の域を脱することができなかったのが、破滅の原因だったのでしょう。
その後、2005年に高橋氏はくも膜下出血で、59歳で亡くなっています。この死の真相は今もって不
明確だそうです。日本人はよくも悪くも横並び主義。みんながイケイケドンドンであれば、おかしいと思っ
ても突きすすでしまう体質にあると思います。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」。これからは自己責任
の時代。自分の物差しで判断できるようにならないといけないとおもいます。
P.S. 巻末に著名人のバブル後のコメントがあります。政財界の著名人が連なっており、非常に貴重なコメン
トが書かれていてためになります。
小説気分で気軽に読める一冊
★★★☆☆
難解な経済理論をふりかざすのではなく、バブルの立役者、高橋治則に焦点を当てながら、この社会現象を解き明かす。雑誌連載をまとめただけあり、小気味よいペースで展開。政官財から個人まで、国を挙げてバブルに踊った当時の状況がよくわかる。