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宗教の教科書 12週

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: トランスビュー
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自律的生き方の教科書 ★★★★★
「宗教」の入門書として非常に優れているが、しかしそれは著者の念頭にある「宗教」を評価した上での話である。そうでない場合、ある特定の信念/価値観の押し付けに感じられてしまうことは否めない本であると率直に思った。たとえ著者が各種の宗教に関する豊かな知識を持ち、元新聞記者らしく適度な情報量を平易にまとめる技量があったとしても、そうなのである。
端的にいえば、著者の「宗教」観は近代主義的にすぎる。いわゆる「呪術から宗教へ」の図式にのっとっており、霊魂は認めず呪術的な行為は迷信扱いし苦行一般を身心の鍛錬ぐらいにしか考えていない。「浄土」や「天国」はある種の心理的な状態のシンボリックな表現である、と宗教現象を人間の認知の働きに還元し、占いや癒しに頼ったり実体的な神や仏を恃んだり畏れたりするよりも、内面に自律した自己を確立せよ、と啓蒙的な発現を繰り返す。
いや、その種の自分の頭で考え何事にも動じない「個」の確立、といった教導には反対するつもりはない。皆が皆それぞれの意見を持ち、他者を思いやりながらも自分の立場を明確にし孤立をおそれない、というのは、世間というプチ超越的権威にずるずると流されたり、自分の道を自分自身ではなく友達や親や上司や神仏の決定によって選択することよりも、素晴らしいことだと思う。
だが、そうした側面だけに「宗教」の真価を認めているように取れる著者の姿勢は、一応は中立的なスタンスを維持すべき「宗教の教科書」としては、やはり偏っているという他ない。呪術的な思考や実践が、一見したところ人々の「錯覚」にもとづく「迷信」のようでいて、実は独特の認識システムやモラルの基盤として機能している、というのは既に宗教(人類)学などで論じられているし、あるいは霊魂などスピリチュアルな存在はまず実在しない、という著者の前提にも、全く根拠がない。科学的に証明できないからといって(ただし、その「科学」も現代の支配的な科学者たちの見解の寄せ集めにすぎないが)、それが「ない」とは言えないだろう。そしてそれが「ある」ならば(「ある」と主張しているのではない)、その実在を前提とした宗教の学び方もまた考慮する必要がある。
宗教、というよりも、道徳的な生き方の指南書、と見たほうが適当かもしれない。優れた宗教関係の文言や考え方が豊富に援用される、正しい人生の指南書。
宗教を食わず嫌いな人にお勧め ★★★★★
「宗教」とは「宗(むね)とする 教(おしえ)」であるという。
しかし、なぜか日本では「宗教」=うさんくさい、あやしい といった
何か悪いイメージで捉えている人たちがいるのだけど、
この本では、「宗教の本質」をわかりやすく説明していると思う。
仏教にしても、キリスト教にしても、イスラムにしても、
「宗教というものが共通して持つもの」に考察があり、
これを読んでから、他の宗教の本を手にとってみるといい「入門書」ではないかなぁと思った。
一見やさしそうですが、深い。 ★★★★★
宮崎哲也さんが朝日新聞の書評欄にとても不思議な書評を書いていたので、早速買ってきて読んでみた。なるほど読みやすい。しかし、これで宗教がわかるかというと、やや疑問。むしろ人生や社会をどういうふうに理解するか、そのとき宗教の知恵をどう使うか、という本ではないでしょうか。それとも宗教ってもともとそういうものなの? べつに言葉にこだわることはないのかもしれない。読みやすくてスイスイ読めてしまうけれど、よくある仏教入門なんかに比べると、内容はすごく深いし、著者の優しそうな人柄が、よい後味を残します。