PC版やDVD版(DVDプレイヤーで再生しながら、プレイしていくインタラクティブゲーム)で発売されているアドベンチャーゲームが、美麗な新作グラフィックを多数追加してPlayStation2に登場。純愛ハードボイルドストーリーが、豪華声優陣によるフルボイスで展開する。
一人旅でアメリカを訪れた主人公の少年は、ある事件で偶然謎の組織「インフェルノ」最強の暗殺者、「ファントム」に遭遇する。その正体は、主人公と歳の変わらない少女だった! 記憶を消され、ファントムの元で暗殺術を学び、組織最高の暗殺者に成長していく主人公。陰謀が渦巻く、凶暴で無法な世界に芽生える純愛の行方はどこへいくのか。
ストーリーとともに注目すべきは、作りこまれた3DCGによる銃やカーアクションだ。また、銃選択による分岐やボイスセレクト設定、エンディングソング「Silence」など、DVD版からの追加仕様も多数。初回限定版には、DVDミュージックビデオも同梱される。(押上大河)
結論 おすすめです。
★★★★★
先に小説版を読んでしまったので、話の大筋とアインルートのトゥルーエンドの内容を知っていたので、感動こそしなかったものの、十分楽しめました。
シナリオの完成度、キャラの魅力、世界観、カッコいいBGM、感動的なOP曲・ED曲、一つ一つの要素がしっかりかみ合っていてすばらしい出来になっています。PS2のAVGでは最高傑作のひとつです。ボリュームはそんなに無いんですがね。
まあ、2003年の作品なので、システムはちょっと難がありますが、他のもので十分補ってます。あとはもうちょっとナレーションの声に力入れて欲しかったかな。目につく不満な点はそんなもんです。
個人的な不満は美緒があまり好きになれなかったことですかね。でも、美緒ルートは志賀さんがカッコいいのでぜんぜん平気です。
キャルエンドとクロウディアエンドはバッドもトゥルーもかなり好きです。クロウディアルートは他に比べて短いですがやたら力が入っていましたし。
結論 おすすめです。
良い出来です。
★★★★★
漫画の吉田秋生のBANANA FISH的な雰囲気があります。
ハードボイルドで純愛、
まさにキャッチコピーの通りの展開でした。
ただやるドラのような細かい分岐点がなかったので
少しとまどいました。これで細かい分岐点などが有れば
どんな風な作品になっていただろうかと思います。
キャラも魅力的で、音楽も効果的に使われていました。
最初、立ち絵二枚と背景のみの画面だったので、違和感を感じましたが、
次第にゲームに引き込まれていきました。主人公の音声も魅力的で、
私は普通主人公の音声はカットする方なのですが、
この音声はすべてオンにしていました。
魅力的な物語です。
一級の娯楽作品にして深い感動を味わえる秀作!
★★★★☆
なぜ戦うのか?なぜ殺すのか?なぜ自分は生きるのか?・・・
『生きることの意味』と『人の弱さと強さ』。本作は、この
ふたつのメッセージを軸に3人のファントム、アイン・ツヴァイ
・ドライの生き様を見事に描ききっている。それはどこまでも
純粋で、そして悲しい。クライマックスで三人の胸に去来した
ものに想いを馳せるとき、誰も身を焦がすような激情を抑える
ことはできないだろう。そして新たな罪を背負って、けれども
しっかりと前を向いて生きて行く彼ら。『生きること』のなんと
残酷で、そして素晴らしいことか!こうした万感の想いが込めら
れているからこそ、この物語はあまり面白く、そして美しい!!
是非プレーすることをお勧めします。
【シナリオ】
本作は3部構成。クロウディアルートだけ2部で完結。共通ルート
部分が多いが、マイナスには感じなかった。
テキストは緻密かつ雄弁な描写で、登場人物たちの心の機微が痛い
ほどに伝わってくる。けれども多弁に過ぎることはなく、プレイヤー
に想いを馳せる余地を十分に残しており巧いの一言。
難易度やや高め。ストーリーの長さに比して選択肢は多くないが、
何気ない選択が後の分岐に大きな影響を与えていることも。なかなか
狙ったENDにたどり着けないかも。PC版とは攻略方法がやや違うようだ。
【音楽】
ボーカル曲はOP1曲、ED2曲。本作の世界観をよく体現している
秀曲。
【グラフィック】
登場人物については、動きの感じにくい立ち絵、背景とのアンバランス
等、気になる点は多い。反対に銃器・車両の描写は芸術的。効果音も
細部にこだわっておりリアル。イベントシーンの描写はGOOD。
【システム】
PC版から大幅に改良が加えられたとのことで、基本的な機能は揃って
いる。既読スキップ、セーブ数50、CG・MOVIE観賞モード等。主人公、
ナレーションも含めたフルボイス。
ハードボイルド
★★★★★
ニトロプラスの処女作にして出世作、Phantomのコンシューマー移植版。
全ての銃火器がかなり綺麗なCGで驚きです。
これはPC版より数段綺麗になっているのでかなり良かったです。
さらに移植されたことにより、音声がナレーションも含めてフルボイスとなり、より雰囲気がよくなっています。
もちろん全年齢ということだから性描写は完全にカットされましたが、あってもなくてもあまり変わりません。
ストーリー上は何の支障もないです。
今から買うならPCより、PS2版のほうが絶対にオススメです。
ハードボイルド好きにはたまらない
★★★★★
ゲームシステムは、選択肢を選んでストーリーが分岐するというよ
くある形。ゲームをしているというより、映画や小説を読んでいる
ような感覚に近いと思う。
何といってもシナリオが抜群。裏の世界を舞台に、ハードボイルドな
感じが炸裂している。一応複数のヒロインがいてマルチエンドだが、
いわゆる「萌え」とは全く方向性が異なる。裏の世界に生きる人間の
宿命、悲哀・・・そういったものが強く心に響いてくる。
個人的には音楽も良かった。また、最初こそキャラの絵が気になった
が、慣れれば気にならない。
ただ、サスペンス的要素を期待する人には物足りないだろう。萌えを
求める人は問題外。だが、下手な映画や小説よりも断然面白いので、
ハードボイルド、コルトパイソンなんて単語に反応してしまう人は、
きっと楽しめると思う。