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ぶっぽうそうの夜 (新潮文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
不当な評価 ★★★★★
身内の犯罪から逃れるために故郷を捨てた男。都会で職を得て結婚もしたが、リストラに遭い妻にも捨てられて再び故郷の土を踏む…

人の気配もない実家には犯罪者となった弟の無惨な姿…
住民たちのしらけた視線…
行き場のない男が、自らの存在意義を示すために選んだ方法とは…

他者に迎合することが、何よりも他者を拒絶することである。
丸山健二はデビュー当時から、文壇とは一線を画してきた。

しかしそれは丸山氏が文学とそれに関わる人たちを、心から大切に思っていたからだ。

自分に誠実でいることが、他者に対しても誠実でいるための方法である。


まるで現在の不況と精神のささくれ具合を予言していたかのような作品。半端な覚悟で読むと打ちのめされますが、いい薬かもしれません。

装丁に不満。新潮社は明らかにこの作品を認めていない。ちゃんと中身を読んだのか。丸山健二と知っての狼藉でしょうかね。

悔しかったら文庫化してください。
今の状況には、この作品はすごく良く効くと思います。
装丁もyomyomみたいに今風(笑)にして、蟹工船に流れる若者をこちらに引っ張ってきてほしい。

期待しています。
独特の、魅力? ★★☆☆☆
展開はナンセンス、独白は単調かつ執拗。これで文章がひどければまったく読み進めることなどできないわけだが、これを読ませてしまうのが丸山健二の「筆力」ということになるのだろう。そういう意味では悪文家とも言われる大江健三郎に近いのかもしれない。

本書に関して言えば、読み進めるうちに純文学なのか、サスペンスものなのか、あるいは冗談を意図して作っているのかわからなくなるところがある。

タイトルや、表紙にある著者近影から受けるイメージで、初老の男の「生き様」が描かれているのだろうと読み始める。あまりに執拗な独白は島尾敏雄の『死の棘』を思わせるほど。しかし主人公のあまりに勝手な思い込みや、自分の「決定」に対する言い訳の多さに、しだい次第に「オチ」を期待して読み顊めたりもする。

そして殺人事件が出てくるにいたっては「あるいはサスペンスものなのか」という疑問すら持つ。「オチ」を期待させたり、「サスペンス」を思わせたりしながら、あまりにも重厚な文体で最後に大きなコメディとして終わらせるつもりなのか、等。

最後は結局「シビア」な人生を描いて終わるわけだが、読了して主人公の「シビア」に共感できるところはない。

たとえば大江健三郎の初期作品であれば、「悪文」も主人公の持つテーマに共感するためのイニシエーションといった意味があった。しかし本書にあっては、イニシエートされた後に繋がる奥深さが感じられない。

熱烈なファンを持ち、自らも『まだ見ぬ書き手へ』において、非常に強気のことを言う作家。この作家の真の魅力を知るには別の作品を読んだ方が良いのかもしれない。

独特の、魅力? ★★☆☆☆
展開はナンセンス、独白は単調かつ執拗。これで文章がひどければまったく読み進めることなどできないわけだが、これを読ませてしまうのが丸山健二の「筆力」ということになるのだろう。そういう意味では悪文家とも言われる大江健三郎に近いのかもしれない。

本書に関して言えば、読み進めるうちに純文学なのか、サスペンスものなのか、あるいは冗談を意図して作っているのかわからなくなるところがある。

タイトルや、表紙にある著者近影から受けるイメージで、初老の男の「生き様」が描かれているのだろうと読み始める。あまりに執拗な独白は島尾敏雄の『死の棘』を思わせるほど。しかし主人公のあまりに勝手な思い込みや、自分の「決定」に対する言い訳の多さに、しだい次第に「オチ」を期待して読み進めたりもする。

そして殺人事件が出てくるにいたっては「あるいはサスペンスものなのか」という疑問すら持つ。「オシ」を期待させたり、「サスペンス」を思わせたりしながら、あまりにも重厚な文体で最後に大きなコメディとして終わらせるつもりなのか、等。

最後は結局「シビア」な人生を描いて終わるわけだが、読了して主人公の「シビア」に共感できるところはない。

たとえば大江健三郎の初期作品であれば、「悪文」も主人公の持つテーマに共感するためのイニシエーションといった意味があった。しかし本書にあっては、イニシエートされた後に繋がる奥深さが感じられない。

熱烈なファンを持ち、自らも『まだ見ぬ書き手へ』において、非常に強気のことを言う作家。この作家の真の魅力を知るには別の作品を読んだ方が良いのかもしれない。

丸山健二・最高傑作! 極上のエンターテイメント純文学 ★★★★★
最初の一頁から、まるでゴッホ後期(1889年以降)の絵が文学になったような、ただならぬ原色感と躍動感を伴った、うねるような自然界の描写で物語は始まる。それから一気に魂を闇の彼方に引きずりこまれる一作となった。糖尿病を病み生を放棄した初老の男が主人公なのだが、これがかなりの大活躍をしてくれて、氏の作品の中では珍しく、ストーリー展開のテンポが早く一気に読み果てる。特に後半、一体この先どうなるのかと手に汗を握る純文学というのも初めて体験した。物語はその初老の主人公と青年、そして青年の忠犬が登場人物の中核をなし、舞台設定は氏らしく、うら寂れた山の村だ。幻想的かつ特有の粘着性を帯びた文体が不条理に舞う孤高の丸山世界を構築しており迫るように読み手に帯電する途方もない極上のエンターテイメント純文学である。丸山健二をまだ知らない人の最初の一冊としてなら、迷わずこの一作だろう。もちろん、かつての熱烈な丸山ファンであって、いつの間にか氏の文学力に疲れて遠のいてしまっていた読み手にも回帰の一作になると確信する。
抜群の面白さ ★★★★☆
丸山健二の中ではエンターテインメント性の強いテーマだが、それだけに最後まで惹き付けて離さない面白さだ。力強い筆致は相変わらず。少々独白のスタイルが単調なのが気になるところではあるが、それでも一気に読んでしまえるほど面白い。