原価低減は値下げ対策にあらず、利益と企業価値の向上に役立つ
★★★★☆
トヨタ出身の著者による価格半減、コスト半減のための実用書。
品質とコスト低減は、一見すると二律背反の関係にありそうな課題ですが、この本を読んでいると、破格的な原価低減を実行することで品質も向上し、製品価格を下げても利益も上げられというのです。
原価低減は単なる値下げ対策やコスト削減ではなく、利益と企業価値の向上に寄与する行動なのだと認識させられます。その実現のためには全社一丸となって取り組む必要がある点では、管理部門、間接部門にこそ進んで読んでもらいたい本です。
原価低減だけでなく、価格とサービス、労働時間と仕事の成果等、経営には様々な対立事項が存在しますが、「無理だ」と初めから思考停止におちいらずに、本気で解決に取り組むことでそれらの問題が同時に解決できるのだと考えさせられます。