斬新なアプローチ
★★★★★
現在(2010年1月)新宿で開催中の「大雷蔵祭」に合わせてリリースとなった「濡れ髪」シリーズからの1本。
高い買物なのでどれから買うか迷いましたが、雷蔵の相手役が大
好きな京マチ子ということもあって、まずはと手に取ったのが「〜牡丹」でした。
田中徳三監督は黒澤明監督のサブだったこともあって、エンターテインメント嗜好なの
でしょうか。当時にすると斬新で時代モノながら現代的な感性を巧みに落としこんた粋
な演出が見ていて愉しかったです。「映画は何よりも愉しければいい」、と口癖のよ
うに生前そう語っていた監督の言葉を思い出しました。
主演二人のコミカルな演技合戦が見事にハマって、本当にラストまであっと言う間。
そして絢爛豪華な色彩で魅せてくれる時代劇ってそうないと思います。
いわゆる“股旅物”ではありますがワンパターンな感じではなく、とにかく新鮮。
この映画の存在自体を後から知った私のような若い世代には是非とも見ていただきた
いです。もちろん昔からのファンにもお薦めですよ。