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テンポ・リズムが体にしみこむ英語音感レッスン[スペシャルCD付き]

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 朝日出版社
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大学の先生の推薦書 ★★★★★
大学の語学の先生に薦められて購入したこの本は、全く新しい語学学習メソッドの本です。
1.新しいシャドーイング法
2.楽器で英語の音声の抑揚を意識させる方法
3.日本語を先に聞かせてから英語を聞かせる方法

1.は、これまでのシャドーイングが「前の音声を復唱しながら次の音声を同時に聴く」という非常に認知的負荷の高いことをさせているのに対して、この本のメソッドでは「短い英語音声を聴きながらそれを復唱すると、その自分の声に重なるように元の英語の音声が聴こえてくる、つまり、英語の音声の方が自分の声をなぞるようについてきてくれる」ので、非常にネイティブの発音が定着しやすいと思いました。

2.は、歌でも「鼻歌では歌えるのに歌詞を覚えていない」ということがあるように、言葉自体ではなくその音響的響きを言語学習の導入と記憶の定着に使うというアイデアで、大変おもしろいと思いました。

3.は、さすが会議通訳者が監修をしただけあって、特に同時通訳者にとって一番大事な“予測”というリスニングのツボを抑えています。英語を聴く直前に日本語の意味が流れるので、“予測”をした上で英語の音声を聴くことができ、これまでにないリスニング練習効果があると思います。

上記3点に加えて、この本はCD主体ではあるものの、読み物としても非常におもしろいと思います。同じ意味の“正しい”英文を5つ並べて、それぞれ50人のネイティブがどれを選ぶかの統計を取っていますが、このような本は今までになかったのでは・・・。どのような状況では、どの英文が好まれるか、逆にどの英文が好まれないか、をちゃんと理由付きで解説してくれているので、上級者にとっても非常に役に立ち、ちょっとした“ニュアンス辞書”のような感じで、これを見ておくといろいろな場面での英文作成にすごく応用がききそうです。

斬新ですね ★★★★☆
ヴィオラの音に合わせて練習するというのがとにかく斬新で面白いと思います。使われている会話文も、ネイティブにアンケートをとって、複数提示しているのがいいですね。旅行会話に特化しているので、初心者向けであると思いますが、初心者だからこそ、このメソッドを効果的に活用できると思います。ある程度英会話を勉強してきた人にとっても、一度頭をリセットして、素直にリズムに耳を傾ければ、新たな発見がありそうです。
開けてみないとわからない ★★★★☆
この本の特長は、“開けてみないとわからない!”だと思う。正直私も、大手書店の語学書売り場で流されていたこの本のCDの中身を偶然耳にしなかったら、この本を手に取ることもなかっただろう。
ネイティブ50人、とか東京大学・・と帯には書いてあるが、正直、この本の特長は表紙や帯だけからでは全くわからなかった。しかし、いざ手に取って中身を見てみると、まったく今までになかった英語学習方法が提示されていて驚いた。世界中で仕事をしているという編著者が世界各国で遭遇したという<「世界のいろいろな都市で」成人してから「知識ゼロから始め」て「現地の言葉を自由に操る」ようになったという日本人の人々の話>が興味をひいた。いわば、“母国語を習得する赤ちゃん”の方ではなく、その赤ちゃんに話しかける周りの(親などの)“話しかけ方”に注目している。言語を学ぶ者の立場からすれば、“話しかけられ方、聞こえ方”が重要なのだと・・・ということだろうが、このことは私も以前感じたことがある。母国語であれ、外国語であれ、一度身につけたら一生忘れない・・・為には【頭や知識ではない、何か】が大事だと!---この本の著者はそれを“音の感覚=音感”と考えているようで、それを1秒前後の(しかし意味のまとまりがある)音感単位で繰り返し聞きつつシャドーイングするという方法を提案している。“その繰り返し音”が、小さい音から始まり次第に大きくなってまた小さくなる・・・という絶妙の加工を施されていて、よくここまでのアイデアを思いついたな!と感心する。しかし一方で、今までの伝統的な学習法である程度の英語力をつけた先生方からは、あまりにオリジナリティが高いこのメソッドは敬遠されることも考えられる。しかし、長年英語教育をしてきた立場から言えることは、少しでも英語を自由にしゃべれる日本人が、はたして今までの外国語教育でどれほど育ったか?ということである。そういう点で、この新しいメソッドには、幼児からお年寄りまで、あらゆる世代の外国語学習メソッドとしての期待がかかる。
リスニングとスピーキングの力が付く ★★★★★
ヒトコトで言うと、楽しくて役に立つ英会話教材です。数週間やってみて、特にリスニングとスピーキングの力が付いたのが自覚できるようになりました。
取り上げられている会話例自体は難しいものではない(中学英語?)のですが、正直、この程度のものでも以前は聞き取れないことが結構ありましたし、自分で話すのは尚更できませんでした(ちなみに、私はTOEIC500点台前半です)。でも、BGMにのったネイティブの発音をふんふんと聞いたり、ビオラの音に合わせてシャドーイングしたりしているうちに、なんとなく英語に波長が合ってきたというか、すーっと耳に入ってくるし、自分でもすっと話せるようになってきました。私の場合、心地よい音感レッスンをしている中で英語に対する不必要な力みや緊張が取れ、英語の音に素直に耳を傾けたり、恥ずかしがったりすることなしに話せるようになったのが大きいかな、って思います。英語の前でカタクなっていたのがほぐれて、英語が頭と体になじんできた感じです。
注意点としては、会話例の数は多くないので、表現をたくさん覚えたいという人にはあまり向かないと思います。
ただ、50人のネイティブへのアンケート結果とか、ネイティブからのアドバイスとかは、とても新鮮で面白いです。これを読んで、私は、CDとはまた別の形で英語の感覚が身に付いた気がします。
あと、CDの日本語部分のナレーションが時々みょーに感情がこもってたりするのが、個人的にはウケました。それと、イラストがかわいいのもいいですね。
プロソディが大事なのは分かるが ★★☆☆☆
英語(に限らず外国語全般に言えるが)の発音を良くしようとする場合、個々の音素の発音とともにアクセントやイントネーション、リズムなどのプロソディも改善することは大事である。本書は、テンポやリズムに焦点を絞り、旅行などで使われると想定される短い文章を英語らしく発音できるようにすることを目的としている。
リズムやイントネーションを強調するために、BGMを流したりビオラ(弦楽器の中で人間の声に最も近い音を出すとのこと)で人間の発音をシミュレートして、それに合わせて発音する練習を取り入れたりしている。
最初に述べた通り、「英語らしさ」や「英語っぽい発音」の判断材料としてプロソディは大事だが、本書はそれを極端にしている。しかし、それだけでは英語の運用能力を測ることはできない。著者が端書きでタモリの「4カ国語マージャン」に触れているが、外国語らしく、外国語っぽく聞こえても、外国語で用を足すことができないのは当然のことだ。
こうした「らしさ」「っぽさ」への極端な偏向(外国語学習の一時期には必要なこともあるが)は逆に外国語の運用能力向上への妨げになる可能性がある。例えば、本書で取り上げている例文はすべてが単文(文と文をつなぐ接続詞を使わない文章)で、リズムの練習には適しているかもしれないが、より複雑な構造を持った文章(難しいことを説明するためだけでなく、日常的な会話でも普通に使われる)に応用しようとすると途端に無力となる可能性がある。
楽器(ビオラ)を用いた発音のシミュレーションも、意図は分からないでもないが、人間の発音の多様さ(スピードやピッチにおけるバリエーションや揺れ)を乱暴に単純化している。ビオラの伴奏(?)に合わせた発音はいくらか不自然に聞こえる。
全体としてみると、本書は話半分としてざっと使い、あとは忘れても良いものと考えられる。