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百貨店が復活する日―21世紀日本流通市場論

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日経BP社
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この本を事後評価するのは酷かもしれませんが・・ ★★★☆☆
 本書で礼賛された百貨店という業態、その後も軒並み業績は低調です。アナリストランキングNO1であった筆者にはそれなりの理由があっての本書の執筆だったのでしょうが、本書を世に問うた以上は、その後の百貨店の業況についても説明する責任があるでしょう。
 私としては、日本の流通産業全体の合理化・低コスト化の必要性についてもう少し筆者に目を向けて頂きたいと思いました。それが遅れている象徴が百貨店であり、GMSなのですから。
いろいろな意味で見もの(チェックの価値あり) ★★★☆☆
小売部門の人気アナリストで先日スーパーマーケットのダイエー再建に送り込まれた切り札的存在である著者が5年ほど前に書いた本。

注目すべきは「他の小売業は百貨店にとって脅威か」という章で「スーパー(マーケット)は縮小均衡の道しかない」と題した論を展開。 「スーパー業態は参入障壁が低く差別化もしにくいため競争が厳しく利益率は公定歩合並みに低下する」と予測。 いずれにせよあまりスーパーの経営には興味がないように思える。

さらに面白いのは「瀬戸際の百貨店」の章で、もしシェークスピアの「ベニスの商人」のシャイロックが現在の日本に実在したならという仮定で語っている部分である。 「大量の資金調達をして、土地を含む店舗価値が時価総額を上回っているような百貨店株を買い漁り、経営権を握った後は、徹底的な人員整理や不採算店舗の閉鎖を行い、一時的であれ収益を大きく押し上げる施策を打つであろう。 もちろん、買収前の役員は全員クビ。 そして、収益拡大を背景に、自分の保有する株式の価値を極限に高めてから第三者に売却するであろう。 売却先は別に誰でもよく、最も高い値段を提示してくれる相手先を探すことになる。」

ベニスの商人と今の松岡氏の立場を重ねながら、いろいろと空想しながら読んでみるのも、この本の楽しみ方である。