「欲望という名の電車」の新潮本の旧版。

読み返してみると、今の版より文体がお上品かな？
ブランチは貴婦人っぽく、スタンレーはヤンキーっぽい。
あと今の版と比べてカットされている部分があります。
(ブランチの旦那さんの性癖をぼかしたり、狂っていく戯言の台詞など)
上の点を差し引いても参考になる部分はありまして
初演の時に新聞(？)に寄稿したウィリアムズ氏本人の作品に対するエッセイや
訳者が「作品の取材」の為に訪れた、当時のニューオーリンズの旅行記が載っています。
作中に出てくるタマーリの試食なんてあるのだ。
1950年代の空気がそのまま封じ込められたような本なのである。
限定でもいいから再販して欲しい本。

ヴィヴィアン・リー主演のこの映画を観て感銘を受けたので、是非、本でも読んでみたいと思い、借りた。多少映画と違い、省かれていた部分もあるものの、映画の感動をそのまま感じることが出来た。ただ、とても古い本だったので、漢字の読みにくいところが結構あり、その点は残念だったが、今度は、新しい本で読んでみたいと思った。