過去と現在の融合が描かれている傑作
★★★★★
アンダーソン・クーパーは今最も注目されているアンカーの一人ですが、この本ではジャーナリスト・アンカーとしての彼の経験のほかに、彼自身の家族のことや過去の出来事に対する彼の繊細な気持ちが描かれています。なぜ著者が戦争や災害など悲惨な現場に飛ばずにはいられないのか、彼の過去をなぞっていくとわかるような気がします。災害の現場では、特にハリケーンカテリーナでの経験が詳しく描かれています。被災から2年経った今も、定期的に現地にとび取材を続けている彼を見ていると、弱い人の立場にたって真実を伝え続けている彼の姿勢に感心させられます。英語の文章も、いかにもアンダーソンが書いた、というようなクールで繊細な、非常に洗練された文章だと思います。