インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

なるほどの対話 (新潮文庫)

価格: ¥546
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
温かい時間を過ごすということ。 ★★★★★
カウンセリングやコミュニケーションにおいて重要なのは、「カウンセラーと対面している時間」や「会話そのもの」っていうものに直接の意味を与えにくいっていうことなのではないかと思います。一般に人が望むのは、患者の症状が出なくなることや、また会話によって新たな情報を得、自分の行動に変化を出すことです。もちろん家族との団欒など、会話のための会話が行われる余地がまったくないというわけではありません。しかしコミュニケーションというものに対して、コミュニケーションの結果のみに目が行きがちになっている、あるいは結果が出ればコミュニケーションそのものの深度は軽視して良い、そういうおおまかな傾向は指摘できます。

たとえば他のレビュアーの方で、本書について「〜についての話が参考になる」と、あたかもネットやビジネス書で有用な情報を取りに行くように本書に対して対峙している方がいます。しかし僕が思うにこの読み方はまったくの誤読で、そういういわゆる有用な情報が一切含まれていなかったとしても、コミュニケーションがコミュニケーションとして楽しめるように、この対談が読書のための読書としてすっごく楽しめるものである、そのことを強調したいです。

そのことはばななさんも
「(自殺を)永久に止めるのは無理だと思いますから、二時間。『この本を読んでいる間は、ちょっと死ぬことを忘れてたから、もう今日は寝ちゃおうかな』というふうになるような小説が書きたいですね。」・・・p.261
と小説論として語っています。この対談を読んでもそういう温かい時間を過ごすことができる。それが一番大事なことです。
リトマス試験紙のような快書 ★★★★★
もしかしたら、現代に生き、心病む者にとって救いの書かもしれない。私は、中学2年のときに神経症(対人恐怖症)を患い14年の歳月が経ちました。
この文庫のページを繰るたびに、何かが氷解し埋められていく、100回くらい読んでいる箇所もありマイバイブルとでも言うのでしょうか………。
単純に、よしもとさんのファンやカウンセラー志望で河合先生から何かを学ぼうという方々が本書を手にとると、少しもの足りなかったりするかもしれません。でもそれはやはりこの対話が心病む者の何かを埋めてくれたり、溶かしてくれるという特徴、故のことかもしれません。
現代最高峰の作家と現代日本最高峰のカウンセラー河合隼雄先生の奇跡のマッチアップ。500円玉一枚で堪能できます。
またメンタルヘルス系患者の私のようなものにとってはかめばかむほどといった不思議な付加価値があります。同じような方には★5なのかもしれない。 しかし★3つと感じられる方も少なくないとも思います。
ある意味この本はリトマス試験紙のようで社会不適合具合がどれだけか、反比例の感じにどれだけ共鳴するかではかれる。
そんな不思議な文庫なのかもしれませんね。
カウンセラーとして ★★★★★
これは必読しておくべき。日本のカウンセラーの神様とも言える人の言葉だけあって全ての言葉の重みが違う。また、ばななさんもそれに対等に渡り合えてる所がやはりタダ者ではない。時間を忘れ熱中してしまいます。他のレビューでカウンセラー志望者に河合と呼び捨てに出来る方がいらっしゃる事に驚きました。
濃すぎて… ★★★★★
対談なので具体的に何かを教えたり説明したりことはないのに、あまりにも濃くて得るものも多い本です。一言で言うのは本当に難しいです。

私にとっては、いろいろな『〜でなければいけない』ということがいい意味で打ち下れてかなり楽になりました。今多くの自己啓発本で表面的ないいところだけを見せて、理想主義が多い中で『自分を頼みに生きるのは苦しいけど楽しい。でもほとんど情けないことばかり』という言葉はぐっときました。人の素晴らしいところや情けないところもよくわかっている河合隼雄さんだからこその言葉だと思います。

いつも文章から感じさせられる彼の仕事に対する態度、権威といわれるほどになっても絶対に大きく良く自分を見せようとしない態度は本当に素晴らしいなと思っています。少しおちゃめな部分もあったりして、中身のない本がたくさんあるのに、この値段でこの内容は本当に安すぎます。
天国からのエール ★★★★☆
吉本ばななさんと河合隼雄さんの
あかるい対談集です。
お二人とも本でよく読んで知っていたので
つい買ってしまいました。
作家の習性や、自分に対する考え方
世の中の状況に至るまで、
多岐にわたった対談集。
読んで思ったこと。
いつの間にか、河合さんがうまく吉本さんの
話を引き出して、聞き役に廻っている。
相手のこころの言葉を引き出す側に回って
進行しているのが
さすがだなぁと思いました。

読んでから気がついたのですが、
河合さんは今年天国にいったのですね。
知りませんでした。
天国から心の病をもった人たちに
明るく生きることができるように
エールを送ってくださいね。