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An Introduction to Japanese Linguistics (Blackwell Textbooks in Linguistics)

価格: ¥6,410
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Wiley-Blackwell
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   日本語文法を初めて生成言語学の立場で解説した1冊。言語学についてまったく知識のない人向けの日本語学入門としても使えるし、言語学者向けの日本語参考書としても遜色ない。音声、音韻、形態、構文、記号論、言語変化、方言の種類、男女での言葉の違いなど日本語を包括的に解説している。筆者は言語としての概念と用語を紹介しつつ、日本語の言語学的現象を理論的に分析している。メインは音韻と構文で、生成文法の正統的なアプローチをとっている。学習しやすいよう、各章には記述・理論両方に関連した練習問題や参考文献のリストがついている。本書は日本語学を受講する学生に文法書として役立つだけでなく、日本語教師が言語学的知識を補強するにも最適だ。
英語の日本語学入門テキスト ★★★★★
解説は解かりやすく、内容も音から文法一般、最後にスタイルと基本的なことはだいたいおさえてあり、英語圏で学部一年が使用するのに最適の入門書だといえます。日本なら演習やゼミで使えると思います。
問題点を挙げるとするなら、これがはたしてup-to-dateなテキストかということだと思います(1996年出版という時代性を考えますと)。例えば統語論ですが、生成文法の初期のアプローチを日本語に応用する分析は70年代に出尽くしており(黒田、井上)、その後、理論は劇的に変化していますので、初期の分析の紹介にとどまっている本書の解説には?が残ります。もちろん入門書なので最新の理論の応用から入ると言うのは難しいかもしれませんし、このテキストの内容は、バックボーンとして知らなければならないものだとは思いますが、どうしても物足りなさを感じてしまいます。その他、意味論に関しての記述が他の分野と比較するとかなり簡略化されており、語用論はまったくないなど、特定の分野、アプローチに偏りが大きいというのも、もしかしたら日本語学概説のコーステキストとしての使用に制限を加えるかもしれません。
しかしながら、日本語学の入門テキストは星の数ほどありますが、英語のテキストは意外と少ないのが現状です。その点こそ本書の最大のセールスポイントだと思います。久野、柴谷両氏のテキストはこの次に進むのがいいかもしれません。