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目玉 (新潮文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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身体の限界と意識の無限性 ★★★★☆
幼少期から身体の不具合と付き合ってきた吉行氏による、晩年のエッセイ風小説七編。白内障に掛かった眼を人工水晶体に交換する過程をつき放した視点で描く表題作のほか、謎の男との淡白な交流を描く「いのししの肉」、整骨師の元に通う「葛飾」など、身体とゆるやかにつながりながら、意識が意外な方向に流れだす不思議な味わいの作品集。

壊れているから、完璧に機能しないからこそ、逆説的に自身の身体性を再認識する吉行氏の姿が垣間見えます。しかし、その視点は自分の身体の状況を憂う、というよりは、一歩退いて科学者が、解剖する実験動物を見つめるような、好奇心のような冷ややかさがあります。そこから過去の記憶へと飛んでいく意識の流れの突拍子のなさがユーモラスでもあり、どこか悲劇的でもあります。身体のつくりの精妙さと、何処までも無限に想念を拡げていくことのできる精神・意識の入れものとしての身体の限界性、そんなことを考えさせられました。あまり出会うことのないタイプの作品。

初心者にもおすすめ ★★★★☆
吉行淳之介には興味があるけれど、なんとなくとっつきにくい感じ。
そんな人にもお勧めのエッセイ集です。

風変わりな面白そうな人がたくさんでてきます。
出会った人のことをこんなふうにうまく表すことができたら。
ほんの短い間の印象をいっぱいにふくらませることができたら。

きっととても難しいんだろうけど、自分にもできそうな、楽しい気分になりました。