著者は HTML を特定のブラウザ上で何らかの表現をするための道具として扱います。スタイルシートも JavaScript も FLASH も、HTML の表現力不足を補うために用いるのだ、と解説します。これは非常にありがちな誤解で、Web デザインの基礎基本を見誤らせるものです。本書の解説の順序、サンプルの妥当性にも疑問を感じます。
わずか175ページで幅広い技術を紹介するのだから、いずれも初級または入門レベルに留まるのは当然でしょう。けれども、難しい説明を省略することと、わかりやすさのためと称してウソの説明をすることは異なります。到達点は低くとも、方向性だけは正しくすべきでしょう。