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白痴・青鬼の褌を洗う女 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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良いと思う。 ★★★★☆
坂口安吾の短編小説集。戦時中の日本を舞台とした作品が多い。

収録作の殆どに筋書きらしい筋書きがなく、
物語の娯楽性の点で言えばつまらない作品が多い。

しかしながら、小説内に点在する人生論や、
思想めいたお説教を拾い読むのが面白い。
作品の筋書きとお説教が不釣り合いであることも多い。

特に、安吾さんが小説内で肉欲を軽んじようと頑張る姿勢が中々よろしい。
肉欲を表立って否定することはしないものの、逆説的に肉欲を軽んじ、
プラトニックラブを持ち上げてみせる姿勢が、可愛い。



「木々の精、谷の精」は筋書きの面でも他よりは面白かった。

「女体」は筋書きが恐ろしくつまらないが、
登場人物の自己主張の中に真に迫るものがあった。
恋愛論が好きな人は読んでも良いと思う。

「青鬼の褌を洗う女」では、作者の処女礼賛がギャグの域であった。

「白痴」は収録作の中で最も有名であるが、読みづらいので私は好かない。
安吾 ★★★★★
安吾の小説には短編が多く、長編は中途半端なものが多い。
また、「白痴」が代表小説であるが
太宰や三島のようにいくつもの作品が一般に知れ渡っているわけではない。
だが安吾は日本の戦後文学において、また日本文学において大変貴重な作家であるといえる。

何故か、それは恐らく安吾が「聖と俗の混淆」を描ききることの出来た数少ない作家の一人であるからではないだろうか。
安吾は時代を凛と見つめる冷徹な目と、時代の中に自らの身を浸し、漂う優しい目、その二つの視点を持っていたように思う。

そしてその2つの目で時代を的確に、また「感傷的」に見つめることによって「白痴」のような小説を書き上げ、「堕落論」などの珠玉のエッセイを残しえたのであろう。