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つづきはまた明日 1 (バーズコミックス ガールズコレクション)

価格: ¥620
カテゴリ: コミック
ブランド: 幻冬舎コミックス
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何だろう、この不思議な感覚は。。。何でもないことなのに ★★★★★
不明を恥じるとはこのことで、本作品はもちろんのこと、作者紺野キタについても全く知らなかった。例のごとく、朝日新聞日曜版のコミック時評で知り、慌てて買ったといういきさつがある。。。いや、驚いた。
何を驚いたかって、これほど何にも起こらない、事件も刃傷も何も何も起こらない、日常なのに、どうしてこれほど心に残るのか。どうしてこれほど幸せな気持ちになるのか。とにかく不思議で仕方ない。

確かに、奥さんを亡くし、小学生の子供二人を抱える父子家庭であり、その隣人家族も若干のいわくありそうな部分はあれど、この程度はそれこそどこにでもある、「普通」のことでしかない。小学生の子供の割には、妙に意味深長な言葉が漏れでるように語られるが、それも特段の違和感を感じない。
と、要するに、どこかにありそうな家族とその周辺の日常の描写でしかないはずなのに、とにかく続きが待ち遠しくて仕方がない。

とどのつまりあれかなぁ、事実は小説より奇なりと言うが、市民の日常は、特に手を加えなくとも、それ自体でもうドラマなのだろうか。
いやぁ、それこそ、作者の力量なんだろう。多くの手が加えられている。何気ない、枠外の手書きのようなセリフが、実にいい。猫や擬音や、花の「香り」や、ちょっとして小道具が、実は大変な威力をはっきりしている。
作者の技の素晴らしさなんだろう。しかもそれを一つも気付かせないなんて!
とにかく、はい、次の巻。早く早く!!
これは快作! すごくイイ! ★★★★★
たぶん人生には悲哀があって、それは面と向かって他者と分かち合うものではないでしょう。自分のうちにあって言葉に置きかえたりすることもしづらく、しようとも思わずに何となく当たり前に呑み込んでいる。大人も子供も。ふとした瞬間喉元に溢れることはあるけれど、大人になるほど意味のある言葉を葬っていく気がする。責任の自覚は後ろめたさの裏返しにも見える。このポーカーフェイスは喜劇の真骨頂だろう。

この物語では、大人たちに無邪気な少年少女の一面があり、
対比するように少し青ざめた子供の心が凛とふるえる発露が見える。
子供の世界と大人の悲哀は混じり合わずとも、互いの横顔を見つめ心を見つめて思いを刻んで響き合う。
人の営みのなかにある黄金律、優しい感情の生まれてくる先が見えるような気がします。
人の心というものは肉体とは別次元で生きているのだとそんな気さえします。
つづきはまた明日・・・幸福な未来を夢見る気持の裏腹に、悲しみを経た後でさえ、このままの世界にほんの僅かな波紋も立てたくない恐れ。
そんなことを願うほど儚く完璧な均衡が紡がれた一巻でした。

読みながらふと羽海野チカの『3月のライオン』を思い浮かべましたが似ているわけじゃない。
ずっと穏やかな世界だし、ここには羽海野節ともいえる照れ隠しのツッコミは無く、何というか照れそのものが希薄で、感情の振幅にも誇張がない。ユーモアの中に愛しさを素で受け止める淡々とした生真面目さが好もしく、少年時代の静かさが底辺にすっと流れているような物語です。
2009年度、紺野キタフリークのマストアイテム! ★★★★★
ファンタジーと同性愛的なモノを臭わせる危うさと儚さ、類似性から生まれる喜劇性
それら全てを内包している物語であり、少年と少女の出会いとそれぞれの家族が交わる物語である。と

紺野キタがいままで通過してきた全てのエッセンスが詰まっているのが本作であり
過去、現在、そして未来においても最高の漫画であると言えます。
紺野キタのピークが今、この漫画が読めます。ホラ、すぐ読まないと
空の知らない水。 ★★★★☆
少数派、なんて平気で口にしますがふつーの家庭なんて存在しないんです。
母親を亡くして父と3人暮らし(出入りする父の妹アリ)する男の子杳と妹の清。
お隣に引っ越してきたのは働くお母さんといまは主夫(どうやらわけあり)の父親を持つ佐保。
エピソードこそ違えど誰にでもあって、でもみんな忘れてしまう気持ちを思い出します。

時折杳は大人顔負けのことを口にするのですがそれは大人びているというより言葉が子供の口からこぼれる奇跡にちかいかな。

次も楽しみです。
闇はあやなし ★★★★★
早くに母を亡くし、父子家庭で暮らす小学5年生の杳(はるか)と清(さや)が、父や父の妹、その他周りを人たちと関わりあいながら、成長していく。そんなありふれた日常を描いた物語です。

淡く細やかな線で描かれた少女漫画タッチの絵柄で、ありふれた日常をコメディのように面白く描き、時には詩的に飾り、はたまた児童書のような物語を展開します。また、時々見せるシリアスな場面は、ただ日常を綺麗な部分だけを切り取っているのではなく、それらを含めて日常なのだと訴えかけているようにも感じ取れます。
この作品をお菓子に例えるならば、屋台で見掛けるでっかい綿菓子のように、真っ白でふんわりして、甘く心地よい味を連想させます。本作品を観る度に、屋台の綿菓子を見て声を上げて欲しがる様に、自分も童心に返ってしまうそんな心の中があったかくなります。
心あったまるお話が好きな方には、お勧めの1冊です。