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強奪 箱根駅伝 (新潮文庫)

価格: ¥704
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
はまりました ★★★★★
安東作品に初めて触れたものです。箱根駅伝という正月の大イベントに合わせた誘拐事件と、背景にある犯人の心の闇。中継するテレビ局の現場責任者の苦悩や葛藤。そして、実在する大学陸上部の選手のいらだちや、ひたすら襷を継いで走ることへの執念・・
実際に我が家のそばが、毎年コースに近いため、臨場感あふれた内容にはまってしまいました。レースの表現など、実に巧みで、あの某テレビ局の有名アナウンサーTさんも感涙したほどだそうですね。今までありそうでなかった、スポーツ小説としても読み応えがあると思います。
ハイテクの限りを尽くしたミステリー小説。 ★★★★★
 今や日本の正月の代名詞となっている箱根駅伝。
箱根駅伝を数日後に控えた大学陸上部に犯人の魔の手が忍び寄る。
12月30日の夜に女子マネージャーが誘拐され、その後も次々と要求を突きつけてくる犯人。
 犯人の犯行に至った経路はどういったものなのか?犯人の狙いは一体何なのか?

 ハイテクの限りを尽くし、巧妙な手段で次々と要求を突きつけてくる犯人の思惑と
選手達の想い、TV局、警察の攻防が激しく交錯し、その先に待つ感動の結末とは・・・?
 読み始めると先を知りたくて仕方がなくなり、一気読み間違いなしだと思います。
それくらい夢中にさせてくれる小説です。私の場合、読むスピードが全く衰えませんで
した。

 また、表には現れない縁の下の力持ちであるスタッフさん達の描写から、箱根駅伝の
TV放送の舞台裏を知ることができ、こういう風にして箱根駅伝という一つの番組ができ
上がっていたのかと、新たな発見があります。その描写は臨場感があり、箱根駅伝の息吹
を感じ取ることができます。
 そういった点でも箱根駅伝ファンは楽しめると思いますよ。
読み物としては充分に楽しめる一冊である ★★★★☆
この作品は、第80回箱根駅伝を舞台にしている。参加する大学も実名で
登場する。ただし、実際の参加校とは若干の相違がある。

犯人の要求に対しテレビ局が身代金を払おうとするのだが、何故テレビ
局が身代金を出すのか、今一つ良く判らない。テレビ局にとって大切なの
はあくまでも中継であって、特にシステムをガードした以降は払う必要性
が感じられないのだが。それ程人道的な会社なのだろうか。やけにあっさり
決まったように思える。普通何億円ものお金を払うとなったら、もっと揉める
のではないだろうか。

十億円のダイヤをぶら下げて走ってるのに、警察の監視体制があまりに
お粗末であったり、誘拐の一番のポイントである身代金受け渡しも工夫が
足りない。海外に逃亡するにしても、身元がばれていたら空港や港に手配
が回っているのは確実である。この犯人は色々策を弄しているのに、それ
くらい判らないのだろうか。

若干描写の判り難い部分もある。特に中継車を拉致する時のような実行
場面での描写の判り難さが目立つ。

この作品の特徴の一つとして、犯人がコンピュータやインターネットを縦横
に駆使している事があげられる。以前にも『99%の誘拐 (講談社文庫)』などの
作品で誘拐にコンピュータを使っていたが、最近ではインターネットの出現
で、よりスピーディーに事が運ぶようである。犯人とテレビ局・警察との攻防
はこの作品の見所の一つである。

ラストはハリウッド映画のような展開で、先が読めてしまうのだが、レース
の臨場感にあふれ、駅伝にかける選手や関係者の熱い思いが伝わって
来る。読み物としては充分に楽しめる一冊である。
箱根駅伝ファンにはぜひ読んでほしい ★★★★★
 箱根駅伝の出場大学もすべて実名で登場する。神奈川大学の10人目の選手が決定した夜、陸上部のマネージャーが突然誘拐される。
 予定通り、1月2日往路スタート!誘拐犯はテレビ回線をジャックして要求をし続ける。誘拐犯とテレビ局との攻防戦は、ミステリー小説として読み応えあり。復路の神奈川大の追い込みは、スポーツ小説として感動的である。
 箱根駅伝ファンには、ぜひ読んでほしい。
 
箱根駅伝に初心者でもハマッちゃう面白さ!! ★★★★★
1行目からわくわくどきどきしてハマっちゃいました。実際に参加する大学名が出てきて、大学生の女子マネージャーが誘拐されてしまうという出だしがすごいリアル。犯人のコンピューター技術を駆使して関係者を翻弄する手口は、巧妙で、途中でやめられない面白さ。しかも、毎年行われる箱根駅伝の舞台裏が詳細に書かれていて、箱根駅伝にこれだけの人や大掛かりな機材が投入されているのかと驚かされる。この本を読むと選手のみならず中継者などの裏方さん、沿道で応援する人たちにまで目がいき、箱根駅伝を5倍、いや10倍楽しめる。実際、箱根駅伝初心者の私でもハマっちゃいました。そして最後は感動的な結末が待っている。いやぁ、安東作品は、どれを読んでもいいですねぇ。