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ホリー・ガーデン (新潮文庫)

価格: ¥546
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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女のひとの不思議 ★★★★★
きらきらひかるは純愛(恋愛ではなく)小説だと思う。愛というか、慈しみみたいなもの。

こちらは'とても仲のいい'女友達のお話。女のひとの不思議のたくさん詰まった本。多くの人が果歩でも静枝でもなく、でもどちらでもあると思う。女友達というのは、とても複雑で頼りなくて、遠慮も強引さも必要で やっかいで それでもいつも心のどこかで気にかけている存在。なくてはならないもの。

江國さんは'余分なもの'を瑞々しく描きだす天才だと思う。少しも無駄ではない余分なもの。

解説をされてる男性が 果歩と静枝の関係についての何も書いていないところをみると(私にはそれがこの小説の一番の見所に思えるんだけど)女のひとにしか面白くない小説なのかもしれない、そして 女友達に対して残酷な気持ちに決してならないような種類の女性には ひどく退屈な小説なのかも、と思いました。

でもドロドロしてなくて、互いに相手を特別な存在だと認めていて想いあってる所がこの小説の一番よいところ、かな?

サバサバと進行して自分で色んなことを読みとらなくちゃいけない映画と違って 小説は大切なことが全て示されているし、でも無視することも出来るもの。

これは丁寧に読んで欲しい本。
めくるめく「ジョシ」の世界 ★★★★☆
江国さんの作品の中で最も好きな作品。
久々に読み返し、改めて「この世界観が好きなのだ。」と思い出した。
なぜ、この作品が好きなのか、理由はよく分からない。
主人公ふたりには共感できないし、どちらかというと苛々させられる部分も多い。
静枝に至っては、自分と似ている部分が見つけられて腹立たしく感じる部分まである。
けれど好きなのだ。
読んでいると、世界が愛おしく見えてくる。
夕日や夕暮れ雲、朝の澄んだ空気、道路に寝そべる野良猫
そういった他愛もないものが愛しくて愛らしくて、美しく感じられる。
世の中のなんてことないもの、あってもなくても良いようなものが
すべてすばらしく感じられる。

女性特有の小説だな、としみじみと思う。
おそらく、女性は生きていく上で必要のないものを
「余分なもの」とは捉えないのだと思う。
それは「余分なもの」ではなく
生きていくうえに必要な「余裕」なのだと思ってしまう。
それが女性なんじゃないかな、と読みながら思った。

この作品は、あとがきも大好きだ。
あとがきまで含めてひとつの作品だと思っている。
痛いけれど、癒される ★★★★★
自分の恋愛と、つい重ね合わせながら、読んでしまうお話。
そして、恋愛のしんどいところを、あれこれつまんで思い出してしまい、とても痛い読書時間になる。
でも、なぜか読後は、癒されている。不思議な感覚がある。
江國さんの作品の中でも、けっこう好きなほうです。
ちょこちょこ出てくるおしゃれなもの、そういうのも癒しの一因なのかな。
時間をかけること ★★★★★
何もかも吹き飛ぶくらいの史上最悪の大失恋の後の新しい恋。
お互い知りすぎた女友だちとの友情。
時間だけがすべてを育てるわけではありませんが、
ゆっくり少しずつ、時間をかけて変わってゆくもの、育ってゆくものを、
丁寧に描いた物語です。
余分なことばかりを書きたかった、と著者があとがきで記しています。
どうでもいいような、全然重要じゃないような、きらきらして愛しい余分なことがたくさん盛り込まれています。
ゆっくり、じんわり、時間をかけて好きになった本でした。
大好きな1冊です ★★★★★
高校までずっと同じ女子高で過ごした、果歩と静枝の友情の話
30歳目前の今では、お互いを知りすぎ(お互いの性格、過去の恋愛、共有する思い出等)
微妙な距離感があり、それがいじらしい。

報われない愛情、お互いを思いやる2人の友情、果歩を慕う中野の存在等
羨ましく、微笑ましく、穏やかに読める1冊なのだが
なぜかところどころの1文が私の心の琴線に触れ、切なくなってしまう…
そんな1冊である