1995年に出た単行本の文庫化。
　著者はTBS系ラジオで「小沢昭一的こころ」という番組を3000回以上も続けている人物。親しみやすくて暢気な語り口で知られている。
　本書はラジオの内容をそのまま持ってきたもの。新潮文庫でシリーズ第７作に当たる。東海道線の各駅停車で東京から大阪まで旅をするもので、途中下車して風物を眺めたり、歴史についてひとくさり述べたり、歓楽街をからかったりしている。内容は他愛ないが、なんとなく楽しい旅の気分を味わえる。
　ラジオのファンには最高の一冊だろう。小沢氏がしゃべっているのが聞こえてくるようだ。ただ、お堅い人には不向き。

　この本、とても面白いです。旅、歴史、歌、いろいろな物がちりばめられていて何回読んでも新しいことを発見できます。小沢氏の旅のコツは私も一人旅をする上で大変参考にしています。ラジオのファンの方もそうでない方も是非読んでいただきたい一冊です。