クリア後涙が止まらず朝まで泣き続けた心に突き刺さる名作
★★★★★
雨宮慶太先生の
美しく、穏やかな世界に隠された、
悲しく残酷な真実と救いの物語。
クリア後涙が止まらず朝まで泣き続け、数日間思い出しては泣き、
思い出しては泣き。。
忘れることのできない宝物のような一本です。
風の匂い、土の匂い、木の幹の匂い、草の匂い、潮の香りを本当に感じられるような
本当に丁寧に描かれた世界。
音楽も最高です。
これだけの名作でありながら、サターン末期でもあったからか
販売本数は伸び悩み埋もれてしまいました。
現実世界で、
人生を歩む上で、
心に負ったさまざまな傷にそっと絆創膏を貼ってくれるような
心に刺さってチクチクと痛い、とれない小さなとげをそっと抜いてくれるような
そんな作品です。
操作性でマイナスという方もおられると思いますが、
日常で常に走っている方はいませんよね。
世界に入り込んで、実際に歩いているような気持ちでプレイしてみてください。
今でもサターンは七ツ風専用機になっています。
この物語に出てくるハサミネズミのキスケが主人公の『ガナパの手』という
工作絵本も出ています。
また、その他のキャラクターも雨宮慶太先生の画集『牙』などでチラホラ登場しています。
稀有の世界観に浸れるゲーム
★★★★★
一応ADVだが謎解きといえるものは皆無で、歩くのが大半であり初プレイだとすぐ次の行動が分からなくなるやや不親切なゲーム。しかも歩くのがやたら遅い。登場人物は必要最低限の台詞で会話するので行間を味わうタイプである。プレイヤーの想像力による補填が必要になる。
物語は非常に独創的であり、自分が何処から来て何処へ行くのか、自分探しであり宗教的とも啓示的といえる。主人公の竜人は鳥山明氏のデザインでありユーモラスでどこか不気味。登場キャラも個性的な面々であり時にグロテスクだったりする。ドット絵の書き込みは緻密で絵画的でありアニメーションも細かい秀逸の出来である。
ほのぼのとして美しい音楽も印象的であり、美麗なクレイアニメによるイベントシーンは圧巻である。そしてラスト付近では宮崎駿監督の千と千尋の神隠しのように忘れていた感情を思い出させられる。創造の源には純粋な心や幼児性、あるいは残酷さが欠かせないことを気づかせてくれる雨宮慶太監督による名作である。
埋もれた大傑作
★★★★☆
知らず知らずのうちに誰かを傷つけている...取り返しのつかない事に対する悔悟と償いへの思いと癒し。決して派手なゲームではありませんし、ヒットしたゲームでもありませんが、多分、プレイした人の多くが涙したのでは無いでしょうか。
当時メジャーだった某ネットフォーラム(懐)で、”普段、泣かない小学生の息子さんが、ゲームをしながらお父さんの膝の上で「おんおん」と号泣した」という書き込みがあったのを今でも覚えています。多分、その子はすごく大事な事をこのゲームから学んだのだと思います。
世界観やストーリーの完成度が高く、大人はもちろんですが、今、子供達に体験して欲しいゲームです。全体評価を星4つにしたのは、ゲームとしては操作性があまりにも悪かったため。現在の新しいゲーム機でリメイクしてくれれば操作性も良くなるでしょうし、絶対売れると思うのですけど...。
記憶から離れる事の無い最高傑作
★★★★★
まず最初に、これをゲームだと思ってはいけない。
竜となり一歩一歩歩く事で紡ぎ出される物語をただ感じるだけ。人間の想像力を遥かに超えた独特の世界観が持つ魅力を是非味わって頂きたい。そして一度入り込めば抜け出す事の出来ない緩慢な空気…じわりじわりと思い出してゆく竜の記憶に心を囚われてゆく。パステルカラーに彩られた世界に潜む暗澹は何か…知ってゆけばゆくほど、どんどんと入り込んでしまうそのストーリーは怖い程に深く、竜の犯したその罪を知った時…あなたは何を感じるか…。
ただ幻想的なファンタジーでは無い…この壮大な物語を世界を住人達を…是非記憶に焼きつけて欲しい。
ゲームだと思うと腹が立つから(苦笑)
★★★★★
これは私が今まで遊んだゲームの中で、だんとつのトップゲーム。
ただし、タイトルどおり、これをゲームだと考えてはいけません。これは絵本なんです。セガサターンでしか読むことが出来ない絵本。それも大人のためのね。そう思って、ゆうるりとプレイしていただければ、この上もない癒し系ゲームかと。
私的にはこれは究極のバーチャルリアリティだなあと感じますです。
そして何やら懐かしい匂いとせつなさに胸キュン間違いなし。
たぶん超マイナーゲームだろうと思うけど、プレステ2に移植して欲しい!
だってセガサターン壊れちゃったんだもーん(涙)