そうそうたる名優の顔ぶれの凄さ。Ｐ・オトゥール（アラビアのロレンス）、ヘレン・ミレン（エリザベスでオスカー受賞）、Ａ・Ｊ・ギールグッド（オスカー俳優でサーの称号を持つ名優、オリエント急行殺人事件など）、Ｍ・マクダウェル（時計じかけのオレンジ）が出演しているのに。
Ｐ・オトゥールは、騙されたと思っていたし、キャリアの汚点にもされた作品。
編集の段階で、入れられたペントハウスのモデル達による、貴族の妻たちの売春船のシーンは、修正があっても見るに堪えないエログロさである。
そのほか、実際にローマで行われていたという、残虐な刑や、凌辱のシーンは、見ていて辛い。
皇帝カリギュラの異常性は、Ｍ・マクダウェルがよく表している。妻のカエソニア役は、ヘレン・ミレンがオールヌードで迫真の演技。公開出産シーンには驚いたが、ヨーロッパなどの王室で王妃の出産は、実際に公開されていた（血統の確認のため）ので、史実には忠実ではある。
カリギュラ効果という言葉が生まれたぐらい、衝撃的な内容の作品。
私は、初めて見た時は４０代になっていたから、なんとか鑑賞できたが若い女性には辛いかもしれない。

公開当時にはいろいろとあったようだが、ポルノ（＝AV）が簡単に見られ、
ポルノ女優が子ども向けのテレビ番組にレギュラー出演するようなこの日本（にほん）にあっては、
全然スキャンダラスでも何でもない。この作品は史劇でもないし、
今日の日本（にほん）から見ればポルノでもなく、中途半端な作品との印象を強く持つ。
そんな中、同じティント・ブラス監督の『サロン・キティ』でも主演した
テレサ・アン・サヴォイの魅力は見ものの一つか。
ただ日本（にほん）盤はモザイクだらけでかえって猥褻に感じさせられるので、
だいぶ古いので鮮明な映像は望むべくもないが、洋盤をお勧めしたい。
あるいは現在の北朝鮮ではこんな光景が繰り広げられているのか
と思って見れば、現代的な興味をもって見ることができるかもしれない。

きれいごとではない、本当のローマ帝國がここにはあります。グラデイエーターでは物足りないあなたへ。

時計じかけのオレンジのＤＶＤを見て初めて知った役者マルコム・マクダウェル氏が主演のカリギュラです。さらにカリギュラの祖父で皇帝のティベリウス役はアラビアのロレンスで世界的に有名なピーター・オトゥール氏という豪華な出演者です。
ピーター・オトゥール氏は、ほとんどポルノに近いこの映画に出演したことでキャリアに傷がついたと訴えようとしていたという話です。
ハリウッドの超大作にも出演されてるピーター・オトゥール氏が出演した中では、一番やばい映画かもしれません。アラビアのロレンスの他にはラ・マンチャの男やおしゃれ泥棒、
最近ではトロイに出てました。
あの有名なピター・オトゥールがカリギュラの祖父のティべりウスという変態皇帝をやっています。それだけでも観る価値はあります。