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日本文明・世界最強の秘密

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: PHP研究所
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説得力のある日本経済論、都市論 ★★★★★
本書の内容を要約すると、

・文明の盛衰はエネルギー効率で決まる。
・都市に人口を集中したほうがエネルギー効率が高まり、経済成長を促す。政府は地方優遇策をやめ、
 都市に人口が移動するように誘導すべき。
・都市の規模には限界がある。鍵となるのは効率的なネットワーク型鉄道網であり、その条件を満たし
 ているのは世界でも東京(と大阪)だけである。
・自動車中心の都市づくりをしている欧米の将来は暗い。
・人は鉄道利用が高効率だが、貨物は(鉄道なら積み替えが必要なので)自動車の方が効率がよい。
 など

「欧米のエリートの見栄によって鉄道が衰退し車社会となり、都市が衰退する」という論理は説得力
があった。ヨーロッパの美しい景観や荘厳な駅舎を有難がる日本の知識人を本書内で激しく非難して
いるのも、欧米の真似をすると日本が衰退してしまうという危機感が著者にあるからだろう。

最近は「日本は衰退する」という論ばかり聞いているので、本書のような意見を聞くとやはりうれし
い。おすすめします。
テツ必読。日本文明は良識ある中間層と鉄道網が支えている。 ★★★★★
 衝撃的な日本文明論だった。金融アナリストの手によるものだが、話の半分以上はテツ(鉄道網)なのだ。

 エネルギー効率の高さが今後も日本が生き残る鍵であることに誰も依存はあるまい。しかし、著者はそのエネルギー効率の高さを、都市部への人口集中と、それを可能にした鉄道網の発達が大きな理由であると主張する。

 効率の良い都市化には鉄道網が必須で、東京のようにすべてが通過式駅で相互乗り入れ方式が日本でのみ実現できている。欧米では駅は貴族階級のステータスであったため、無駄な駅前広場があり、行き先ごとに駅があり乗り継ぎが不便で、頭端式のスイッチバックのために定時運行も期待できない(頭端式→上野駅の1階みたいな方式)。筆者の鉄道網への分析は果てなく続き、上手くネットワークした例として東急・京王・小田急、はては大井町線を挙げている。また、惜しい例としてJR大阪駅(梅田駅)を挙げている。

 逆に、車社会は渋滞や駐車スペースが都市化のボトルネックとなり、エネルギー効率が悪い。車のランクが階級意識を生み、しかも広大な土地を走り回るので治安も悪化するという。

 著者は、同じ電車に乗ることは、共同体意識や助け合い精神を存続させる手段だともいう。また、電車であれば子供も高齢者も安全に移動でき、勉学・勤労に励むことができる。これが日本文明が世界最強の秘密だ。こんな国の自動車産業が必死に改善に取り組み、良い車を生み出すのもある意味当然だろう。

 ただ、現在地方の高齢者中心である農業をどうするかについてもう少し提言が欲しかった。
鉄道ってすばらしい! ★★★★★
 5年ぐらい前だろうか。JA東日本で高崎線の普通列車にグリーン車がお目見えしました。
昔の上中下車両の復活でこれも日本の階層化社会の顕れか、けしからんこととも思いましたが、乗ってみて考え直しました。「これいいわ」・・大宮−籠原間 乗車前のグリーン券購入で700円。座れる保障のない50分を快適に過ごせる貴重な時間に切り替えられました。
寝ててもOK。読書も仕事の書類に目を通すのも車窓から外の様子をちらちら見ながら、リクライニングシートに身を沈め・・停車駅でもドアが2重になっているから、冷たい風も入いってこなし、乗降する人も少ない。
 そうこんな列車を待っていたんだな〜 安くするだけがサービスじゃないとつくづく考えました。JRさんやりますね。そうそう新宿-湘南ラインもよくやってくれたって感じ。
 メトロ・都営地下鉄もあちこち路線を延ばしてかんばってるね。さすがに路線図は見難くなたけど便利度は向上している。卑近な例だが、東武伊勢崎線の半蔵門線乗り入れも最近の驚きトピック。
 人口密度が高いって悪いことかと思っていたが、むしろプラス面の方が多いということに気がつきました。産業ってのは人が集まってこないと成立しないし、多様なニーズにこたえることで個々人のアイデンティティも磨かれていく。ゆえに生き生きとした都市が成立していくと思います。言葉だけではない実感としての「自由」「平等」が実現できる可能性が一番高いのはまさに日本の都市(メガロポリス)なのでしょう。
 たかが見慣れた電車。でも都市集中の弊害を取り除く一つの手法が鉄道にあること。それが日本文明の強さを示したこの書は「目から鱗が3枚ぐらい落ちる」くらいのユニークさを感じます。
 
独自の視点で都市論を展開 - エネルギーがキーに ★★★☆☆
今後はエネルギー効率が発展のキーファクターになるという、
独自の主張が展開されている。
いくつかの鋭い切り口も挙げられており、目から鱗の視点もあった。
しかし、2点ほど難点がある。
話があちこちに飛躍している箇所が多く、論旨の展開が分かりにくい。
起承転結にもっと留意して頂きたい。
また、特定の研究者を口汚く批判している部分も見受けられ、
物書きとして他著者へ当然払うべき敬意も感じられない。
ということで、星は3つにします。
目から鱗の「日本文明論」 ★★★★★
 経済の低迷・少子化・石油始め原料の値上げ等日本の未来に悲観的な見通しが巷に氾濫していますが、データを元にそれに真っ向から反論する日本文明論です。
 日本の強みは世界一のエネルギー効率の良さ!
その原因は、大都市圏への人口集中とその人々の足を支える鉄道ネットワーク、鉄道は大量輸送機関であり、人口が集中する大都市圏での交通インフラとしてその強みを発揮する。 日本の大都市圏での鉄道依存度の高さが諸外国と比較しての圧倒的なエネルギー効率の高さを支えている。 鉄道が衰退産業でしかなく車社会化してしまった欧米では最早日本の社会インフラには到底追いつけない。 この差が、今後エネルギー高騰する世界での日本の強みとなっていく。
 ではなぜ、日本だけがそうなったのかの欧米との歴史文化論等読んで見て納得できる部分が多くあります。
 日本に対するこういう見方もあったのかと新しい視点に気づかせてくれる本です。