実用性はないような……
★★☆☆☆
近々留学生(母語は英語ではない)がやって来るという事情もあるのですが、それよりもこの題名の軽い雰囲気と、「研究者のための」という強気な副題とのミスマッチが気になって買ってみました。
内容的には薄い印象です。これは研究室に入りたての学部生向け?……なのかもしれません。そのくらいライトな作りです。
評価できる点:イラストが多用されていて、基本的な物の英語名が分からない時には便利かも知れません。全体に取っ付きやすい雰囲気です。
不満な点:情報量が圧倒的に少ないです。本当に英語で実験にトライすることを考えるなら、もっと例文を沢山載せるべきなのではと思います。
また、商品説明には「実験手法についてのディスカッション」と書いてありますが、載っているのは全くディスカッションなどという種類のものではありません。「『○○』」はどうやって行うのですか?」「××を■■します」のような簡易な受け答えで、これは一問一答集ですか?というくらい。トラブルを解決する編はちょっと会話っぽくなっていますが、ページ数的にも少なくておまけみたいな感じですし、いずれにしても実用性は皆無なのでは……。
結論的には、題名の軽い雰囲気の方が中身をよく表していると思います。とても研究者のための本であるとは思えません。店頭で中身を確認していたら、間違いなく買っていなかったと思います。これを購入する層というのがどのあたりにターゲッティングされているのか分かりませんし、この本がどうやったら活用できるのかも、かなり謎です。私はおすすめできません。