瀬戸内には海賊がいるし、誤解されて将軍にはなかなか会ってもらえないしで、この作者、けっこう弱音を吐いています。瀬戸内を通過するときは、鳥の声にまでびくびくしている。宿舎が草だらけだの、日本の蚊はでっかくてやだだの、正直な人。朝鮮国王への報告書なのに。見栄はらないんだなあ。
旅も終盤、日本の友人と別れを惜しむ。二度と会うこともないであろう。二人は涙しながら、日朝友好も成ったことだから家族同然だし悲しいことないよ、とかいいつつ慰め合うのだった。下手な小説より、なんかイイ。難しい文章だけど、がんばって読んでよかった。