面白い
★★★★★
いま読んでも、古さを感じません。
感情の起伏がとてもリアルでした。
「のだめ」との違い
★★★★★
音楽ものが好きなのでついうっかり読んでしまいました。読み始めたらとまらずにすでに絶版になっている部分を埋めつつ現在進行形です。絶版の部分が要なので早く再版されることを祈ります。読んでいてとても気になったのが今をときめく「のだめカンタービレ」との違いです。どちらも筆者自身は音楽活動の経験者ではないようですが、本書の演奏家としての悩みやその克服の過程の描き方がとても深く、真摯に描こうとしている点がとても優れているため、毎回引き込まれます。資産家の令息で天才的な指揮者が恋人というところは共通ですが、本書の指揮者殿下の天才ゆえにぶつかる悩みはある意味紋切り型ではあるものの、恋人との戦いがきちんと描かれていて好感が持てます。また主役の独奏者側の二人の違いは楽器の違いもありますが、水と油ほどもちがって、比較するのもどうかと思いつつ、バイオリニスト氏は等身大の演奏家で音楽をやるものがぶつかる壁にことごとくぶつかってくれて爽快です。乗り越え方がちょっとマンガチックのときもありますが。これほど「音楽家」をきちんと描いているのに「のだめ」の方が世間の注目度が高いのは、まぁ本書がBLであるがためなのですが、ちょっと残念です。
面白かった
★★★★★
長いシリーズの始まり。BL小説は初めてでしたので、ちょっと驚いた部分もありましたが、面白かった。
富士見町の素人楽団のコンマス守村悠季が、悠季のバイオリンに惚れて、楽団に常任指揮者としてやって来た桐ノ院圭と出合い・・・。
何度読んでも二人のずれた会話とか、ポーカーフェイスの桐ノ院の実はの素顔の面白さとか、悠季のピュア過ぎる性格とか・・・。
会話体の多い文章は読みやすいし、舞台も設定も良くできているファンタジーだと思う。
すべてがここから始まる
★★★★★
フジミシリーズに興味があったんですが、シリーズが長くて、どこから読むのがわかりませんでした。BL作品に興味を持って読んでみたいだけではなく、クラシックにこだわりを持つだからこ思いっきり読み始めたんです。そして、自分の音楽を再発見しました。
私の性格は秋月先生が描いた守村悠季氏によく似てると思います。肝心なときに限って自分に自信がない。自分に言い訳を作って逃げるばかり。自己満足で音楽を続ける。
そして私は自分の音を失い6年間空白になってしまいました。
守村悠季は幸いに桐ノ院圭という伯楽が彼を見つかってくれて、そして一流のバイオリストになりました。この音楽家の奮闘史ともいえる壮大な物語のおかげで私は口実や言い訳をやめて、また音楽を続けることにしました。「やって失敗することは何もしないで後で後悔するよりは絶対いい」ということを思い知らせたです。もしフジミシリーズにもっと早く読んだほうが絶対いいと思ってます。
音楽をする人たちにぜひ読んでください。
(しかしBLや同性愛が苦手な人にはこれは無理と思いますが…)
BLに括ってしまうのは勿体ない。
★★★★☆
私がこの作品を知った時点で既に20冊以上が刊行されていて目の前に聳え立つ既刊の山に眩暈がしましたが,いざ読み始めると残りの山がどんどん減ってゆき「おかわり!おかわりちょうだい!!」な心境でした。
主人公カップルがすったもんだしつつデキ上がるまでが第1部。これからの方は,まずこの4冊(本作+「さまよえるバイオリニスト」「マンハッタン・ソナタ」「リサイタル狂騒曲」)を揃えてから読み始めることをオススメします。第2部以降は音楽家(しかもクラッシック)としての成長物語の方に比重が移っていきますので,BLシーン目当ての方は肩透かしを食うかもしれません。私は好きですが。
-------------
秋月先生は別名で児童文学も執筆なさっています。
私はそちらを先に読み「修身だの道徳だの愛国心だの言う前に,小中高生には是非とも読ませたい。でも子供たちだけに独占させておくのは勿体無さすぎ。スキだ(はぁと)」と思いつつ4年後に「フジミ」にはまり,そして作者が同一人物であることを知りました。
もう,出会うべくして出会った,はまるべくしてはまった,転ぶべくして転んだのね,と苦笑するしかありません。