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なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞出版社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ロジャー・ローウェンスタイン/著 鬼沢忍/訳 出版社名:日本経済新聞出版社 発行年月:2009年02月 関連キーワード:ナゼ ジ-エム ワ テンラク シタ ノカ アメリカ ネンキン セイド ノ ワナ なぜ じ-えむ わ てんらく した のか あめりか ねんきん せいど の わな、 ニホン ケイザイ シンブンシヤ シユツパンキヨク ニホンケイザイシンブンシヤシユツパンキヨク 5825 にほん けいざい しんぶんしや しゆつぱんきよく にほんけいざいしんぶんしやしゆつぱんきよく 5825、 ニホン ケイザイ シンブンシヤ シユツパンキヨク ニホンケイザイシンブンシヤシユツパンキヨク 5825 にほん けいざい しんぶんしや しゆつぱんきよく にほんけいざいしんぶんしやしゆつぱんきよく 5825 世界一の自動車メーカーとして君臨し、優秀企業の代名詞だったGM(ゼネラル・モーターズ)は、なぜ経営危機に陥ったのか?その最大の元
「今日のGMは、明日の日本」膨大なレガシーコストは他人事ではない ★★★★★
読んで寒気がした。これは将来の日本の「最悪のシナリオ」を予告する本だ。有権者の増税アレルギーが非常に強いこと、労働組合が身内の利害しか眼中にないこと(口先でそれを否定するが実行は全く伴わない)、投票で政治家に大きな影響力を行使できること、日本とアメリカは類似点が多い。人口構成を考えると日本の方が明らかにレガシーコストが大きく、GMを笑っている場合ではないのだ!

社会正義と利権が表裏一体となっている(正義の実現のため自らにカネを要求する)という、労働問題の厄介な、そして不変の本質を明快に描き出している点も大きな功績である。

第一部ではGMの高コスト体質の大部分が労働組合の強さに由来しており、それが日本勢に敗北したひとつの要因であること、第二部では法に守られている公共部門の年金の方が利権化・問題化し易く、労働組合が投票によって気に入らない政治家を落選させられること、第三部では馴れ合い体質のサンディエゴ市が「海辺のエンロン」と呼ばれるまでに至った経緯を描く(馴れ合いによって腐敗した自治体は日本にも数多く、是非教訓とすべきだ)。

何より、「公務員という名の特権階級」という文言が傑作だった。これだけ見ても、他人事ではないのが理解できるだろう。尚、日本とGMが何故似ているのか分からない向きには、以下の著作を参考にされたい。
孫は祖父より1億円損をする 世代会計が示す格差・日本
大貧困社会 (角川SSC新書)
GMは転落するべくして転落した ★★★★☆
GM転落の歴史を、経営者と労働組合の立場を中心に詳細にたどった秀作。その本の分厚さに圧倒されるが、日本ではほとんど報道されてこなかった事実をていねいにひろって行く内容で、これを読めば、経営者も労働組合も、それぞれの時点で最善の選択を重ねてきた結果が、現在につながっていることがわかる。足らなかったのは、良い車(売れる車ではなくて)を作ろうというモノへのこだわりと、消費者のためにという視点ではなかったか。業界関係者、アメ車を語る人にとっては、必読の書ではなかろうか。
労働組合の際限なき要求と経営陣の妥協が招いた顛末記 GMは蛇足 ★★★★☆
昨今経営危機が叫ばれているGM(ゼネラル・モーターズ)が主題のごときタイトルだが、GMに関する記述は本書全体の3分の1程度で、残りは米国の公務員年金に関する記述である。
全般的には、企業年金の給付を巡っての、労働組合の際限なき要求と経営陣の妥協が招いた顛末を綴った内容。年金給付の引上げは、原資を直ちに必要とする賃上げとは違い、原資の積立てを将来に先送りしたまま約束だけは容易にできてしまう。そのため、労働組合および経営陣双方の体面保持と点数稼ぎのために企業年金給付が「労使交渉の具」として利用されて来た経緯を本書は詳細に綴っている。そしてこの傾向は、株主の存在が辛うじて歯止めとなるGMなどの民間企業よりも、そうした規律が無い(労組が主要な票田であるため議会のチェックも働かない)公務員・自治体年金の方が遙かに深刻であることを本書は示唆している。

なお、日経の書評ではあたかも「エリサ法(年金受給権保護のための法律)が企業年金を駄目にした」かの如く紹介されていたが、本書におけるエリサ法に関する言及はごく僅かであり、ミスリードも甚だしい講評である。エリサ法の成立経緯については、同時期に刊行された『エリサ法の政治史』を参照されたい。