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暗黒館の殺人 (上) (講談社ノベルス)

価格: ¥9
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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《館》シリーズの集大成 ★★★★☆

■〈あらすじ〉

  母親の葬儀のため、九州に帰郷していた江南孝明は、親戚から建築家・中村青司が
  改築に関わった”〈暗黒館〉――熊本の山深く、湖の小島に建つ異形の館――の話
  を聞かされ、その館に赴くことにする。

  その道中、地震が起きて事故に遭い、負傷した
  ものの、なんとか〈暗黒館〉にたどり着いた江南。

  しかし、呼び鈴を鳴らしても誰も出てこなかったため、敷地内にある十角形の塔に
  登り、バルコニーから館にいる人の姿を見たのだが、再び起きた地震によって、彼
  は塔から転落してしまう――


  ――建築学を専攻する学生・“中也”は、東京で知り合った〈暗黒館〉の当主の
  息子・浦登玄児に招かれ、〈暗黒館〉を訪れていた。身許のはっきりしない青年
  が、塔から転落して記憶喪失となったり、使用人が事故で重傷を負うなど、不穏
  な出来事が続く。そして中也は、浦登家が年に一度、〈ダリアの夜〉に開く特別な
  〈宴)に参加するのだが……。



■〈感想〉

  メインとなるのは、著者お得意の××トリックではあるものの、全編に横溢する
  オカルト要素に、鏡という小道具や、本シリーズならではのからくり趣味などを
  絡めて論理的に犯人を特定できる仕様にしているのは評価されるべきでしょう。

  ××トリックも、勘のいい人は、直感的に分かってしまうかもしれ
  ませんが、真相の全てを見抜くことはきわめて困難だと思います。

  そして、常軌を逸した殺人の動機も、〈暗黒館〉という“異世界”においては、
  説得力と必然性を持ちうるものになっている――そのためにこれだけの大部
  に亘って世界観を構築する必要があった――のは見逃してはならない点です。


  正直、冗長で、読み切るには忍耐が必要ですが、シリーズ読者
  なら、必読の真相も明らかにされるので、読んで損はありません。

  とにかく長いので、時間が十分ある時に読むことをおススメいたします。
  



ちょっと待ってよ ★☆☆☆☆
そりゃ、あたしゃね、綾辻氏の大ファンですよ。
ですがね、何ですかこりゃ。
舞台装置は最高なのに、まぁこのつまらなさ。
購入以来、何度読み返しても、「つまらない」

雰囲気は素晴らしいんですがねぇ。
だけどこれは、ミステリじゃないよね。

大体、この作品で、島田潔さんは何の為にいるわけ?
これはこれで面白い。 ★★☆☆☆
いや〜、おしい。
どうして、館シリーズにしたんでしょうね。
いままでの館シリーズを知ってる人や期待した人は、完全に肩透かしを食らいます。

ところどころ脚本のような描写も、さすがって感じですが、
これが本格ミステリーとなるとどうなんでしょう。
(厳密な意味での)いわゆる探偵もでてきませんし。
そういう意味でこの評価です。

でも、これはこれで面白い。
別のタイトルで出せなかったんでしょうか。
タイトルが先行していたのでしょうか。
ミステリーというよりはゴシックホラー。 ★★★☆☆
まず…「館シリーズ」を全て読んでから読むことをオススメします。それでないと、この独特な世界に入りにくし、過去のシリーズとの意外な繋がりに驚かされることもなく“もったいない”ような気がします。

館シリーズのファンとしては、今までのシリーズのどの作品よりも、ものすご〜〜〜く読みづらい作品で最初は戸惑いました。そしてひたすら長い!推理小説でこんなに長い作品を読んだのは初めてかもしれません。そしてこのシリーズの主役である鹿谷が(登場人物一覧には出てくるのに)全く登場しないのも驚き。
そんなわけで特異な文章と特異な設定で最初は読み進めていくのに苦労しましたが、小説の世界に入っていけるようになるとどんどん夢中になって読むことができました。かなりグロテスクな話なんだけど、「いけないと分かっていながら覗き見る本能」とでもいうのでしょうか、あるいは「嫌悪しつつも見てしまう人間の性(さが)」とでもいうか…目を離すことができず一気に読んでしまいましたね。推理小説といよりはホラー、しかもゴシックホラーかな。

後半、どんな展開になっていくのか楽しみです。
そして、恐らくは一番のミソである“視点”の謎についても…
シリーズファンなら楽しめる ★★★★☆
とても長い作品で初心者には、「十角館の殺人」をお勧めするが、シリーズファンならかなり楽しめるのではないかと思う。
私は館シリーズのファンなので、長い間作品の世界に浸ることができた。
初めの殺人が起こるまでかなり時間がかかるのでそこまで楽しめるかどうかで作品の評価が変わるのではないか。
登場人物の中では双子の姉妹がかわいくてよかったと思う。