まったりとした秀作サスペンスだと思います。
堅実な脚本により安心して観れるサスペンス。ミラ・ジョヴォヴィッチは食えない女を好演。バイオハザードとうって変わった彼女の妖艶で官能的な役どころは見どころの一つ。アンブレイカブルのサミュエル・L・ジャクソンの存在感は本作でも圧倒的だ。この2人の役者によって引き締まった作品となっている。
ひょんなことから大掛かりな犯罪に巻き込まれてしまった刑事ジャックと、犯罪組織の中で異彩を放つミステリアスな美女エリン。官能を漂わせ、魔性の魅力を放つエリンを中心に、ジャックと犯罪組織全員を巻き込んだ、裏切りに次ぐ裏切りの展開が続く。
自らの官能性で男を誘惑するエリンに真正面から接するジャックをサミュエル・L・ジャクソンが好演。ベテラン俳優の風格が漂う落ち着きがあり、目だけでも説得力のある演技ができることを証明しています。
ミラ・ジョヴォヴィッチのそれまでのアクション・ヒロインから一転して“魔性の女”という新たな役どころに挑戦し、男によって様々な顔を使い分けるエリンの複雑な心理を繊細な演技で見せることで新境地を開くことに成功した感があります。
さらに、脇役にはひとクセもふたクセもある俳優が顔を揃え、アンサンブル・キャストの魅力を堪能できます。
先の読めない展開という脚本の素晴らしさに加え、ミラ・ジョヴォヴィッチの脚線美を効果的に写し出した撮影が優れており、ミラ・ジョヴォヴィッチの魅力を十分満喫できる作品だと思います。