型破りな事をするのをためらわない人はいない。カーク・フランクリンは『リバース・オブ・カーク・フランクリン』で、抽象的である事への強い意志を著わしてチャートに戻って来た。とても個人的なオープニング曲、「イントロ」から最後の曲、「アウトロ（ブラッド）」まで、フランクリンはリスナーを疑惑、葛藤、そして誠実さなど、抗し難い感情の渦を辿る旅にいざなうのだ。ビショップTD、ジェイクス、ヨランダ・アダムズ、ジャッキー・ベラスケズなどがライブで参加している。ゲストの顔ぶれを見ても、このCDで彼がやりたい方向性がわかるというもの。タイトなバンドとヴォーカルズ・オブ・ライフのバックで、フランクリンは自由に「ホサーナ」、「コート・アップ」、パパ・サンはフィーチャーしたラスタっぽい「ヒー・レインズ」を歌っている。彼のすばらしいソングライティングの力量が、スローナンバー「ドント・クライ」や「オールウェイズ」で伺える。流れるようなキャリアを通して、彼はソウル、ゴスペル、ヒップ・ホップを色とりどりのタペストリーに編み込んだ。彼の音楽性がもっとも際立つアルバムである（マイケル・リトル, Amazon.com）