ラグタイム初心者としては十分に満足
★★★★★
ジョプリン、というかラグタイムというジャンル自体を買ったのはこれが初めてで、知識的なことはあまり有りませんでした。それでも購入時に意識したのは本人の演奏が入っていて、残りの曲も違和感が少ないということ(こればかりは聞くまで分かりませんでしたが)。結果的には非常に満足で、演奏者の違いをほとんど意識させないほど統一感のある内容になっています。
購入後に他のジョプリンのCDをいろいろ視聴してみましたが、このレベルまで統一性を持たせてあり、かつデジタル録音のものはごく少数のようです。
ジョプリンの演奏がまとめて聴きたい!
★★★★☆
白人が有色人種と関係を持って作らせた混血の私生児は白人と同等に扱われ音楽の教育を受けることが出来たといいます。そこで「混血の音楽」である「ラグタイム」が生まれたのだ、と僕は理解しています。メロディを偏愛するクラシックに、黒人のリズム感が加わって新しい音楽が生まれるなんて、ロマンティックな話ではありませんか。ジャズは勿論、現代の音楽はここから始まったんだ、と思うと感動的です(僕は音楽教育を受けていませんので、それが正しいかどうかは知りませんが)。
ちなみに、スコット・ジョプリンはご存知の通りラグタイムの代表的作曲家です。1868年に生まれ独学でピアノを学び、1899年発表の"Maple Leaf Rag" で一躍ラグタイム作曲家として認知されるに至った人です。その後作曲と音楽教師として生計を立てましたが、娘の死・妻との離婚・ラグタイムの流行の終焉・音楽上の不成功などの不幸が重なり精神を病んで失意のうちに精神病院で死亡したといいます。
本CDにはジョプリンが残したピアノロールから録音された3曲が入っています。これらは映画「STING」やジョシュア・リフキンの演奏の「エンターテイナー」しか知らない人には衝撃的だと思いますよ。リズムの取り方が白人の演奏家と全然違いますし、また作曲者ならではの楽譜にない装飾音が多用され躍動感があり、聴いててめちゃくちゃエキサイティングです。
なお、8年ほど前にパリでジョプリンのピアノロールから録音したという20曲入りのCDを購入しました。つまりジョプリンの演奏はもっと残ってるんですよ!ジョプリンのピアノロールなんて世界的な遺産なんですから、3曲とかケチケチせずに、まとめて出して欲しいですね。
ジョプリンファンなら買うべし!
★★★★☆
14曲のうち最初の3曲は何と!スコットジョプリン本人の演奏です。
ピアノロールから再現されたものをデジタル録音しているので音質も良し。
他の曲も古い時代の雰囲気が十分伝わってくる演奏です。
ただ、ピアノロールを再現したときにスタンウェイなんていう「いいピアノ」を使っているので、音が上品過ぎる気もするのは贅沢でしょうか・・・?