生と性の間で
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あのアラーキーと瀬戸内寂聴さんの往復書簡?と始めは想像もしえないこのお二人ですが、それはそれはお見事!
寂聴さんは政治から社会まであざやかにぶったぎって行く切り口がまさしく生きる道しるべ、アラーキーはそれに応えるかのごとく性を切り取る写真の数々を寂聴さんへ送って行きます。たまに寂聴さんが恥じらったり、その写真から自分の若かりし頃を思い起こしたりと、読んでいるこちらもいっしょにふむふむと写真を眺めてみたりしてしまいます。
何といってもこのお二人の呼応はとても文化的で知性あふれスマートです。
今の日本に元気がないのは、子供を育てる大人が子供に文化を伝えてあげられてないという内容の寂聴さんのご指摘がありました。
お二人のように月日を重ね中身の詰まった人になりたいと切実に感じる一冊です。
そしてこの本の影響で岡本太郎記念館に足を運び、荒木氏の本を買うようなりました。名前だけ知っていて両人の本当のところを知らなかった私は偉大な人に気づかず素通りしてしまうところでした!
ありがとう!寂聴先生っ!