教育問題を考える、絶好のテキスト
★★★★★
これまでのリーディングスでは、過去の名論文を集めたアンソロジーとして編まれているものが主流であったのに対し、本書が含まれる「リーディングス日本の教育と社会」は、この10年の教育問題の動向とその展望に視点を置いて論文を収録している。その点が実に面白い!
いま、何が起こっているのか?という問題の現状把握を目的として使うも良し、そこに向けられている視点(アプローチ)の違いを楽しむのも良し、読者のレベルによって使い方は幅広いと思う。院生や研究者ならば、シリーズ監修者の広田照幸氏も冒頭で述べているように、収録されているそれぞれの論文の視点を組み合わせることで、問題に対する自分なりの視点を見つけてみるといった楽しみ方もできるのではないかと思う。