しかしこのCDにおいては、「仮面ライダー」「戦隊」の同企画とは異なり、テレビサイズとして収録された曲が必ずしもテレビ放映用テイクと同じものとは限らない、ということに注意しなければならないだろう。50曲を収録しているが、その過半数以上はフルコーラス版からの編集と思われ、こだわりがある愛好者には、違和感を抱かれる可能性が高い。後奏はうまく処理しているが、前奏は放送用テイクと若干異なっている部分を直していない曲が多く、ステレオ収録の曲では雰囲気感も損ねてしまっている。「ど根性ガエル」ですべてのエンディングを収めた一方、「新みなしごハッチ」は別バージョンを割愛しているなど、「仮面ライダー」などでみせてくれた徹底さに欠ける。さらに注文をつければ、このような企画であれば、この時代のアニメを網羅しても良かった。
ともあれ、これまでフルコーラスの主題歌に食傷気味だったファンへは、この1枚が必聴盤であると断言できる。テレビ放送されたテイクにこだわらず、1番の歌詞だけに収めたものを聴く、という気持ちでこのCDをかけたなら、不満を感じることなく、口ずさむことができるだろう。