京都のユニークな美術館・博物館を多数紹介した本です。興味をひくところが満載。
★★★★☆
有名な社寺仏閣が街の至る所にあるのであまり目立ちませんが、京都はユニークなテーマを掲げた博物館の多い所です。
本書は観光客や地元の住民にもあまり知られていないユニークな46の博物館を詳しい説明や写真で紹介したものです。
本書掲載の中から数例紹介しますと、伏見にある酒造りや日本酒の歴史をわかりやすく紹介している「月桂冠大倉記念館」は大人にとって楽しめるところです。建物は風格がありますし、京都市指定有形民俗文化財の酒造用具類の展示を始め、昔のお酒もお土産に購入出来るようになっています。
四条通りの繁華街を下がったところにある「京都市学校歴史博物館」は、登録有形文化財に指定された旧成徳小学校玄関車寄せが特徴で、昔懐かしい学校にまつわる様々な物を展示しています。昔の小学校の雰囲気がそのまま残っている所で、タイムスリップしたかのような感覚に襲われます。
有名なワコールも本社ビルの1階に「ミュージアム オブ ビューティ」という博物館を持っています。企業博物館の代表のようなものでしょうか。知りませんでした。
新町三条下がったところにある京都市指定有形文化財「紫織庵」も京の町家を今に伝えるところです。大正ロマン漂う着物の展示だけでなく実際にいろいろと購入できます。他にはない珍しいデザインのものがありました。モダンな洋間や坪庭、蔵を改造した展示場など町家の風情を堪能できます。
それ以外に、「万華鏡ミュージアム」「らんぷ美術館」「雅楽器博物館」など、他では見られないような珍しい博物館が沢山紹介してありますので、少し違った観点からの京都観光ができると思います。変形ですがハンディなサイズですので、カバンにいれても負担にはなりません。