メンタルヘルスの重要さ。
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1982年2月。死者24人、重軽傷者150人。誰にとってもあまりに辛い事故だった。報道内容が詳しくなるにつれ、これが異常な状況で起きた事故だということがわかってきた。この本を読むと、機長の同僚や肉親が機長の休職後の復帰時にまだ異常を感じていたのに気遣いをして口をつぐんだため、結果として起きた大事故だというのがよくわかる。せっかく精神科を受診しても、家族が一番肝心な話をしていなかったために病名が見落とされたという。著者は脳神経外科医。そのため、機長の健康状態や職業人の健康管理について鋭く切り込まれている。