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東京アンダーワールド (角川文庫)

価格: ¥880
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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第二次大戦後の日本における組織犯罪台頭の歴史を描く中で、著者のロバート・ホワイティング(日本野球についての優れた本『You Gotta Have Wa』の著者でもある)は、日本の政界と社会全体においてヤクザが絶大な影響力を持つようになったことと、一度は被占領国であった日本が世界でも有数の経済大国に上り詰めたことは、アメリカの力に負うところが大きいと言う。

ホワイティングが主役に選んだ、実在の人物ニック・ザペッティは、まだ占領地であった東京を訪れ、そこに居残ることを決意する。はした金狙いの詐欺家業で一花咲かせようとしていたが、だらだらと続いていた支払い不能の状態によって我に返り、ザペッティは思いつきでレストランをオープンする。困難を乗り越え、「ニコラスピザ」は東京に住む外国人、野球選手、芸能人、政治家、そしてもちろん地元の暴力団員が集まる50年代の人気スポットとなった。異国の地にレストランを開いた、容易には信用しかねる人物、ザペッティの経営者としての古き良き日の冒険が、この実話の骨子となっている。背後からいつ刺されてもおかしくないような野蛮な環境、ビジネス社会の不正取引など、ヤクザ社会と区別がつかないほどオーバーラップすることが多く、どこでひとつのエピソードが終わって、また次が始まったのかが判然としない。しかし、ホワイティングは巧みに、彼が言うところの「壮大なる富の移行(アメリカから日本へ資本を移すこと)」の過程を詳細に描き出している。なぜアメリカの外交政策(そして共産主義への恐怖)が、知らず知らずのうちに日本へ富を移行させることに甘んじてしまったかを解き明かす。ホワイティングの文体は、啓蒙的で、人を引きつける力を持っており、彼の結論は日米両サイドから聞こえてくる、保護主義者が使うような安易な表現を裏切ってくれる。

一方、ザペッティは最終的に日本国籍を取り、妻の姓を名乗るようになる。健康状態の悪化と、ピザ帝国の経済的崩壊によって夢破れ、やがて極端な日本嫌いになる。「あんた、映画の『リオ・ブラボー』を見たことあるかい?」ホワイティングは、ある夜ザペッティが外国人客のひとりに話していた言葉を引用する。「いやらしい目つきのカウボーイがたんつぼに金を投げ込んで、町の酔っ払い役のディーン・マーチンがそれにへつらうシーンを覚えているか?それが、日本人が望む外人のイメージだ。日本人は俺たちにディーン・マーチンのようにぺこぺこしてもらいたいのさ」

面白い。 ★★★★★
当方、57歳の会社員ですが1970年代前半から六本木をうろついています。
当時の政治経済の動き、本文に出てくる登場人物いずれも見聞きした物ばかりで
昔の記憶がいろいろよみがえり、若干の興奮を覚えながら半日で読みきりました。

「3丁目の夕日」の頃も牧歌的ではなかった ★★★★★
昨今では高度成長期あるいはその直前のそれこそ「三丁目の夕日」が舞台としていた頃が何かと持て囃され、「三丁目の夕日」も映画化されてヒットした訳だが、その同じ頃アメリカからやって来た進駐軍崩れやらマフィアやらが、日本人ヤクザやフィクサーと時には手を組み時には敵対しながら、まさしくシノギを削っていたのである。仮に同時代を過ごした人間がいたとしても、こうした記憶はいつの間にか風化させてしまい時には美化さえされてしまうものだが、本書とそれに続く[東京アウトサイダーズ ― 東京アンダーワールド2]は風化されつつあるアウトローの現実をさまざまな資料や当事者の証言にあたりまとめた、一つの労佐である。

そして、あの当時の日本で行われていたことが現在は中国やアジア諸国で行われたりしている。そこには、当然日本人も少なからず関わっているのは間違いない(あのライブドア事件さえ香港が一つの中継地だったりするのだから)。
危ない本 ★★★☆☆
危ない本
面白い。
レビューの中で人気のあるものが消されているのは、怖いような面白いような気がする。
まぁまぁという感じ・・・。 ★★★☆☆
友人に勧めらて読んでみました。
特に損はない感じです。

「裏で暗躍する日本の組織」。テレビでよくやっている内容のちょっと深い番という感じです。
センスが一流の文章 ★★★★★
ユーモアと繊細な記述で、実在した主人公の魅力的な人生を通し、戦後直後の東京都心やヤクザの成立ちや、変化を洗練された流れで書かれているので、映画のように、満足できます。やはりアメリカ人、膨大な資料を元に、ノンフックションでも、主人公に感情移入でき、イタリア人の情熱的な恋愛やホロリと哀愁もあり、そして日本社会への、フラストレーションさえも解消できる作品です。