このミュンヘン・フィルのとの演奏は、ラジオ放送を目的としたライブで、モノラルの欠点を感じさせないぐらい音がいい（バイエルン放送局から直接マスターテープを得たことと、デジタル・リマスター技術の相乗効果であろう）
演奏は、最初は基本的には56年のウィーンフィル盤と同じだと思ったが、即興的なテンポやバランスの変化があり、やはり本質的にライブの人なのだと分かる。
改訂版による楽器の変更がひどい３〜４楽章も、あまりに見事な演奏に、オーケストレーションの違いを超えてしまった感がある。４楽章のカットも、初めからそういう音楽だったのではないかという自然さをもって迫ってくる。（56年録音でははっきりと、ああ、ここがカットされていると分かったのに）そして、そこから沸き起こる感動は、シューリヒト、ウィーンフィル（1963）に迫るものがある。改訂版でここまでやるとは、さすがクナである。