反論本というよりオバマ政治解説本
★★★☆☆
○他のレビューでもあるとおり、特定本の反論がメインではない(1章のみ)。また、反論が印象論的であり、数値等説得的な議論ではない。
○2章以降は、オバマ政治の現在についての考察。これも印象論に終始。「〜ではないか」「〜だと思われる」が多く、歴史や数値を使った説明が殆どない。
○3章の国民医療保険は、大統領と議会の小競り合いの話に終始。これまでの問題や、導入にあたり、それがどう解決されるのか等の記載が少ない。例えば、公営保険につき、「それが導入されるか否かで小競り合いが起こっている」、ではなくて、何なのそれは?どういう影響が起こるのか?につき、情報がない。
○しかし、4章の「茶会党」についての背景説明は、秀逸。(というか他でこれほど詳細に述べている本やブログがないため)
総評:今後の筆者に期待して3☆。しかし、この内容では、皆中古本で十分と思うに違いない。
アメリカという目標を失ってうろたえるニッポン
★★★★☆
戦後,日本はアメリカみたいになることを夢見てみてずっとやってきた。
ところが,無定見にアメリカの真似をしているうちに,
アメリカは夢の国ではないことに気づいた。
でも、止められなかった。止まらなかった。
バブルの頃は,アメリカを抜いたのではないかと勘違いした。
でも,全ては幻想だった。
「ずっと,僕はあのエンターティナーの物まねをするヴォードヴィリアンとして生活の糧を得てきたのに、
そのエンターティナーが存在もしない幻想だったなんて」
本書は、その幻想は幻想ではなくて、見本とするに足る国であると、今の、アメリカの姿を描く。
オバマ大統領が盛んに降りだしている「機会均等」という名の手形は本当に空手形ではないのか。
「機会の均等」はあっても、ある程度の「結果の平等」を伴わないと、いくら「機会均等」を
標榜しても何の意味もないのではないか。
「反論本」は宣伝用、中身はフツ―の制度論で期待外れだった
★☆☆☆☆
堤未果氏の「貧困大国アメリカ」に異議、と派手に宣伝していたので読んでみたが正直言って期待外れだった。
現場を自分の足で回り、そこで生活する人々の生の声を丁寧に取材した堤氏の(ジャーナリズムの本来の仕事だが)著作と違い、この著者は取材より一般的な制度論を展開しており、堤氏への反論も例えば「肥満の原因は貧困だけではないはずだ」「悪い面ばかり取り上げているのでは」などと主観的なものばかりで、裏打ちされた意義のある反論は一つもなかった。
結局「貧困大国アメリカ」の名前を単に自著を売るための宣伝に使ったようだ。
本の大半はオバマ賛美が延々と続くのだが、「グリーン雇用政策」とか「新しい軍事外交を展開」とか、一体いつの話をしているのだろうか?というようなものばかり。確かに選挙中はそれらの政策を掲げていたが、就任以降は前政権から引き継いだ戦争を拡大させ、直接的な雇用政策はなく失業率は二桁(若者の失業率は20%以上に上昇)している。
1年以上たった今、アメリカ国民ですら公約の数々が幻想だったと気づきノ―を言い始めている(どこかの国の政治と似ているが)中、オバマの公約の素晴らしさを説き、チェンジを期待する事を促す内容は説得力に欠けると言わざるを得ない。
現地に住むジャーナリストならば少なくとももう少し現場の実態を取材すればよかったのではないか。
もしくはベストセラー本に便乗せず普通の制度論として出せばそれなりだったかも知れない。
著者の真意はともかくとして、帯に騙されたような後味の悪い一冊だった。
異議あり!
★☆☆☆☆
堤氏の本が受けたのは、やあり自分の足できちんと取材したからです。
私は堤氏の本は所有していませんが、講演会で静かな口調で話す氏の内容に
耳を傾けましたが、やはり迫力が違います。
もちろん物事に対して光を当てる方向が違えば見え方も違います。冷泉氏は
恐らく堤氏が描写した姿が気にくわなかったのではとしか思えません。その割
に冷泉氏は「こういう事実もありますね」程度で相手の描写を打ち消そうとし
ているだけに見えます。
冷泉氏は小泉改革が中途半端だからだめなのだと言います。本当にそうでし
ょうか。エセ改革で国民生活が疲弊したから、今に至っているのではないです
か?郵政という国富を献上するジャパンハンドラーの手先としか思えない発想
です。
全体的に底が浅い。最後のエコカーの話もそう。専門家ではないので、中途
半端な知識で書かないでほしい。これは自動車部品メーカー勤務の小生の強い
希望です。
もし私が編集者なら、堤氏の事は抜きにして、オバマ就任後に医療保険や外
交が具体的にどう変わり、次の大統領選の争点はこうなるという点に絞って文
庫本で出す事を勧めます。同じアメリカ在住の日本人なら、霍見先生の方がよ
い解説をしてくれるのでは?
何を語りたいか題名と違う
★☆☆☆☆
題名に惹かれて読みましたが内容はオバマ批判の本ですね。アメリカは貧困大国でないのを書いいて(第1章のみ)途中で気が変わったのかな?と思いました。細かなデーターもなく「こうすれば収入の少ない人もあれこれできますよ。だからアメリカは貧困大国ではないですよ」と言う意味の内容ですが、問題はそのようなことではないように思います。ルポ貧困大国アメリカに対して、この著者が批判するなら細かなデーターや例をあげ、この本の全章すべてで反論を挙げるべきではないでしょうか?久々に時間を無駄にする本を読みました。できれば無星をつけたいのですが、それはできないので星1つ。最低限題名は変更すべきですね。たとえば「オバマ政権は本当にアメリカをチェンジできるのか?」などにね。