新しいスタート
★★★★★
スタイル・カウンシル以降、若い世代からの再評価の追い風も手伝ってか、その速度を緩める事無く活動を展開してきたポール・ウェラーは一旦ベスト盤『モダン・クラシックス』でそのソロ・アーティストとしてのキャリアに句読点を打った。ベスト盤に収録されていた新録曲のタイトルを借りればまさしく"Brand New Start"を切る形となったのがベスト作以降では初となるこのスタジオ録音作。一聴するとキャッチーなヒット曲も無いし地味な印象なのだろうが、アルバム・トータルでの統一感は素晴らしいし、これまで以上に歌を重点に置いた、まさにあの"Brand New Start"以降の作風とも呼べるアコースティックな音作りがなされているので、じっくりと耳を傾けたくなる1枚になっている。効果的なストリングスのアレンジも要所要所で流れを引き締め歌を引き立てているし、ヴォーカリストPAUL WELLLERが好きな人にとってもたまらない内容ではないだろうか。私の場合ふとした時に聴きたくなるのでいつも手の届く所に置いてあるような、そんな親近感がある。