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クラリネット症候群 (徳間文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 徳間書店
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《人格転移》ものと《暗号解読》ものの中篇二編を収録 ★★★★★

■「マリオネット症候群」



■「クラリネット症候群」

  高校一年生の翔太は、無断で持ち出した養父愛用のクラリネットを
  憧れのエリ先輩の前で、いじめっ子だった旧友に壊されてしまう。

  その直後から、なぜか翔太は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音が聞こえなくなってしまった。

  さらに、養父が、意味不明な文章を残し、失踪してしまい……。


  
  乱歩の××を下敷きにした《暗号解読》もの。

  主人公が、前述の七種類の音を知覚できなくなったという設定を
  活かし、文章の中に暗号を組み込むというアイディアが秀逸です。

  また、主人公に外国人の血が入っているという本筋とは無関係と思われた設定が、
  実は暗号解読のための重要な伏線であったというあたりも、小技が効いています。

  そうした、暗号解読だけでなく、《操り》の構図までプロットに盛り込んでいるのは、
  些か予定調和の感もありますが、青春ものとしてはやはり外せない演出でしょう。


  作品の根幹にある着想は、誰でも思いつくようなものなのですが、それを
  きっちり作品として結実させる、作者のプロとしての手腕が光る秀作です。


  

内容はともかく ★★☆☆☆
この装丁・デザインは文春文庫のにそっくり!!
著者自身が希望したのならわかるが、先行作品
に似せたら売れるって思うのはさもしいかな?
乾作品としては平凡 ★★★☆☆
2つの中編作品が収められています。

「マリオネット症候群」は、読み始めは「どういう展開になるのか?」と思わせますが、「しくみ」がわかってしまうと、その後の驚きはありません。
いくつかの殺人事件が起こるものの、殺伐とした話ではなく、最後は、なんとなくハッピーエンドのような・・・。

表題作の方は、とにかく読みづらい。
心理的な影響により、ドレミの音が聞こえなくなってしまった主人公に合わせて、作品の表記もドレミ抜きになっているので、ひとつひとつ意味を充てながら読んでいかなくてはいけません。

乾さんの作品としては、平凡かもしれません。
乾さんらしさはあるので、気軽に読む作品としては適しているかもしれませんが、「どんでん返し」を期待して読むと、がっかりするかもしれません。
着想だけ ★★☆☆☆
イニシエーション・ラブで乾くるみに興味を持ち、本書も買ってみました。
正直な感想としては、着想は面白いものの、筆力で読ませるにいたらず、というところです。
ショート・ショートでネタのみを書けばまだ好印象だったと思われますが。。。
良質の "現代落語" ★★★★☆
あの「イニシエーション・ラブ」「リピート」で日本中の読者をひっくり返らせた乾くるみの新刊!今回は長編ではなく、中編作品の2編組です。

前作までとはまたひと味違った、乾くるみの世界が楽しめます。彼の小説のファンになっちゃった人は、迷わず買っとくべし。
#あ、ちなみに乾くるみさんは男性です。
#かわいい女性作家を想像していた方、残念でした。(←僕もそのひとり)

さて内容ですが、相変わらずのセンスの良さが光ってる良品です。ただインパクトの点から見ると、これまでで一番弱いでしょうか。もちろん「イニシエーション・ラブ」が異常でしたからね、その後の作品がやや霞んで見えてしまうのはある意味しょうがないけど。あと、中編ということで作品そのものが比較的短い作りになっているので、大きな構築物が音を立てて崩れ落ちるようなそういう衝撃が無いのもちょっと残念でした。

ただしその分コンパクトにまとまっているので、まるで良質の “現代落語” を聞いているようで、その心地よさは乾くるみの新たな魅力発見!となるかもしれません。この手の話がツボに入る人には、「イニシエーション・ラブ」以上に楽しめる作品かも?