写真の美しさは、一見の価値あり
★★★★☆
タイトルから小難しい生物学の世界を想像していたのですが、まず驚いたのは写真の数々。
こういう「なぜ○○か?」的な本は、たいてい難しい言葉を羅列して、まともな参考写真もなく不親切に著者の知識や研究を並べるものが多い中、この本はまず写真を大切にしている。
そして、子供が読んでもわかる言葉で書こうという工夫がみられる。
言葉の説明だけでダメなら、写真を見せる。
例えば「ポリネータ」という言葉。
蜂やコガネムシのからだに付着した花粉の姿も見せるから説得力がある。
ザゼンソウは暖かい花だと説明し、実際にサーモグラフィーも見せる。
専門家が見るには確かに物足りない本かもしれない。
しかし、自由研究にはとてもよい題材だし、
「花がなぜ咲くのか?」を純粋に知りたい人にとっては最適の本と言える。
そして、やはり写真が美しい。
よくぞこの瞬間をとらえたというものもあれば、カレンダーにしてもおかしくない色彩美まで、眺めているだけでも飽きない。
中途半端なできです
★★★☆☆
花の送粉・受粉について、色、形、構造、臭い、温度など花毎に工夫が凝らされながら行っている、その不思議な仕組みについて書いてありますが、何故そのようになっているのかについて、必ずしも十分な説明がなされているとは言えず、物足りない気がします。
また、この本はどのような人を対象に作られたのかも、疑問を感じます。多分初心者であることは間違いないとは思います。しかし、この本はふりがなが多く、例えば本のタイトルである「咲く」までふりがながふられている他、「枯れ木」「知恵」など専門用語でない普通の漢字に沢山ふられてます。一方で、ほとんど定義づけ説明されないまま「ポリネータ」とか「ジェネラリスト」とかの言葉を使用するなど不自然さを感じます。
ふんだんにきれいな写真を使用しているのは山と渓谷社らしいですが・・・