すごいビバリウム写真集
★★★★☆
タイトルは「ビバリウムの本」だが、サブタイトルにあるようにヤドクガエルを中心にカエル飼育のためのビバリウムを紹介した本である。本の約半分を占める前半85ページは国内外のヤドクガエルを中心としたブリーダー、キーパーとアクア・トトぎふ、サンシャイン国際水族館、東山動物園、上野動物園、虹の公園・おさかな館、井の頭自然文化園のビバリウムをカラー写真と、case、size、frog、filter、light、others、pointの項目について簡単に解説。随所にエクアドルやペルーなどの現地の写真も入っている。ビバリウムの似合う植物図鑑としてタンクブロメリア、ティランジアやその他観葉植物、コケ、水草を45ページにわたり紹介。特に、ブロメリアとティランジアはヨーロッパのファームや植物園、エクアドルなどの現地の写真も豊富。ビバリウムのカエル図鑑はヤドクガエルだけでなく、樹上性、地上・地中性、水性の国内外のカエルを簡単な特徴を解説。最後にビバリウムでのカエルの飼育を11ページで写真を交えて紹介している。ヤドクガエルの詳しい飼育方法は著者の「爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル」を参照とのこと。オールカラーで写真もきれいなのだが、ビバリウムの実際の作り方は6例を1〜2ページで解説しているだけ。しかも基本的なレイアウトだけで、今回もミスティングや温度管理、換気などの細かいセッティング方法やヨーロッパのブリーダーの大がかりなビバリウムのバックヤードなど紹介されていないのは残念。それでもビバリウムの写真集としては実に写真も多く、カエルキーパーだけでなく、ブロメリア、ティランジア育成家も十二分に楽しめるビバリウムの本である。