本書を機に、アニメから入るも、原作から読むも良し。
★★★☆☆
アニメ版、原作、共に未見ですが充分楽しめる内容でした。宇宙飛行士に憧れる人間ドラマにありながら、『王立宇宙軍』『ライトスタッフ』『トップをねらえ』といったハード設定が魅力なこれらの作品と違い、ハートフルなメルヘン風ファンタジーの衣をまとった少女のビルドゥングスロマン『ふたつのスピカ』に対し、心惹かれてしまう理由を、本書は解き明かしてくれる内容になっています。全話のストーリーダイジェストや設定資料はビジュアル的に素晴らしいのですが、情報量満載のムック本というよりは、「穏やかなスピードで読んでほしい作品」とする原作者のインタビューにあるように、上質な絵本といった趣があるのを本書に感じました。SF作家の野尻抱介氏の言う「星空を見る努力をいとわない人」という言葉に、この作品が集約されている気がします。
描き下ろしコミックが良かったです
★★★☆☆
~『設定資料集』というサブタイトルから、グループタックのウエブサイトで公開されているような、キャラクターやアイテムの設定資料を目当てに購入したのですが、大半が各話の解説や座談会等の読み物中心となっており、本来の意味での設定資料がほとんど収録されていないのが残念でした。
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特にキャラ関係は、わずか4ページに主要キャラ6人の各設定画2~3点・簡単な紹介文4行ほどしか記載されておらず、かなり不満が残りました。
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ただ、柳沼行氏の描き下ろしコミックや番組エンディングで使用された原画が収録されていますので、それだけでも原作ファンの方には充分購入する価値はあると思いますし、読み物の方も制作関係者の方々の興味深い話が多く載っていますので、そういうのがお好きな方にはお勧めできる内容だと思います。~