バルトークの遺伝子
★★★★★
20世紀のいわゆるクラシカルな音楽の歴史の中で、バルトークやコダーイのように自国の民族音楽を蒐集、研究し、自己のスタイルとしたやりかたは大きな影響を与えた。このアルバムを聴いていると、バルトークらが行ったことをよりグローバルに援用して、新たな音楽を作り上げたということが如実に分かる。その意味でここに呈示された音楽にはバルトーク的な遺伝子を感じます。ここで展開されるリゲティやライヒの音楽はほぼ全部ピアノソロによる音楽なので、複雑でアブストラクトな音響になっていないことが、より音楽を分かりやすくさせていると思います。プロデューサーが音楽を良く分かっていて、音楽の見せ方が上手だと思いました。